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金沢医科大学の献体20年

 

金沢医科大学

 

昭和47年6月1日、金沢市の近郊内灘町の砂丘に、日本海側唯一の私立医科大として本学が開学した。当時、福井、石川、富山3県の代名詞となる北陸には金沢大学のしらゆり会が、篤志団体として解剖学実習を支える献体活動をしていた、本学に対する献体も初期にはしらゆり会による支援活動の中で扱われていた形跡があり、現在の天寿会はしらゆり会支部と位置づけられていた。
しかし、開設当時の教授陣は独立独歩の道を選び、翌48年には北陸3県の市町村、警察、病院、施設を精力的にまわり、その年だけで48体の献体を得ることに成功した。その後も研究時間がなくなる程熱心に献体活動に取り組んだ先輩教授陣の御陰で今日まで充分な解剖実習を実施することができ、頭の下がる思いである。
昭和51年3月、本学独自の篤志団体天寿会が会員50名で発足し、今日まで20年間延べ701名の登録会員(現在404名)が本学の献体活動を支えている。一方で教授陣による年間300箇所にのぼる献体キャンペーンも続けられ、多くの方面の理解を得ようとした。
全国的に献体数が足りなく、国をあげて献体に対する関心が高まったころ、昭和60年に当時の鈴木菊男理事長が積極的に献体活動支援を打ち出し、それに呼応して学内外から沢山の善意の寄付が寄せられ、現在の天寿会活動の基金になった。
昭和63年、従来の慰霊納骨堂が小さくなったために建て替えられた。富士山を形どった慰霊塔の前で、毎年4月納骨式が行われるようになり、天寿会会員、遺族、学生、教職員が参集して献体に対する感謝の念を新たにしている。10月には、大学主催の全学追悼法要が執り行われ、これと同時に天寿会総会も開かれており、総会での医学講演も好評である。
本学献体活動は20年を迎え、一つの転機に来ているが、天寿会会員の本学医学生に対する慈愛に満ちた眼差しと医学に対する真に純粋な信頼感によって、これからも支えられていくことを確信している。
(平井圭一 記)

 

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