東京歯科大学白菊会「独立1年」
東京歯科大学白菊会 東京歯科大学は、かつては白菊会本部に東京歯科大学支部として属していたが、1995年(平成7年)4月1日、東京歯科大学白菊会として大学独白の献体者の会を発足させた。従って当会は、1996年(平成8年)4月の時点で、やっと満1年を迎えたばかりであり、団体部会の中では最も若い団体であろう。 千葉県に在りながら「東京」の名を持つ新名所「新東京国際空港」、「東京ディズニーランド」等は東京隣接県千葉の現代像を示しているが、東京歯科大学もその一つ。東京歯科大学は、1981年(昭和56年)、東京の水道橋から幕張メッセ等で知られる幕張新都心と同じ千葉市美浜区内に千葉校舎を建設、移転した。移転当初の解剖学教室は遺体確保のご苦労も多く、解剖学教室員あげて近隣諸施設へ献体登録の啓蒙活動を行ったとの記録がある。その啓蒙活動が実り、また、社会全般的にも献体運動が浸透してきたこともあって、現在では学生6人に1体の必要数を十分確保するに至っている。当会は、発足時の会員数247人、団体部会の中では小規模であるが、地域との連携も確立されている現在、大学の現状からは適正規模と判断されている。 1995年(平成7年)10月7日、大学主導により東京歯科大学白菊会として初めての集まり「第1回総会(今後も年1回開催予定)」が千葉校舎で開催された。これまでは東京における白菊会本部の総会に参加のため千葉県内居住会員(全会員中の約7割が千葉県内居住者)の出席が困難であったが今回はそれもなく、出席者数は従来より倍増。しかも自分の献体登録先の大学訪問は今回が初めてという参加者が多かった。総会プログラムは、学長並びに主任教授からの親しいご挨拶、解剖学教室全員のご紹介、会員への確認事項を中心とした会長挨拶の後、昼食を挟んで学監によるご講演と進められた。会員からは「この大学に献体登録されていて本当に嬉しい。」「この大学でお役に立てるとは光栄。」等の多くの反応があり、総会を通して相互の親近感、信頼感、一体感等が得られた。 当会の全ての会員は、権威に捕らわれることなく全ての枠を越えて対等の関係にある。大学と会員とが一体となった総会で得られた家庭的とも言える温かさこそは当会の心髄であり、この温かさを今後も大切に保持していきたいと願っている。しかし最近は、純粋な献体理念に基づくことなく遺体処理の便法として献体を利用する向きも残念ながらある。当会は良き歯科医師の誕生を願って無報酬の献体をするということを最初にして最後の一貫した唯一の目的としており、会の存在も運営も絶えずこの原点に立ち帰って自らの姿勢を問いつつ進めていくべきと考えている。そして、会員は、自らの利益を求めることなくまたいたずらに高ぶることなく、誠実且つ謙虚に成願の日を迎えたいものである。 (東京歯科大学白菊会会長 廣濱見名子)
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