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平成8年度芸術鑑賞会
松山バレエ団

コッペリア全幕

作曲:ドリーブ 台本・演出・振付:清水哲太郎 演出・振付:外崎芳昭 芸術監督:松山樹子
この公演は日本財団の補助をうけてます。
STORY
第1幕
1800年代、ヨ―ロッパのガルシア地方
ある小さな街の公共広場.
下手(向かって左)に娘スワニルダの家。上手(向かって右)に人形師コッペリウスの家が見える。そして、そのバルコニーには、今日も美しい少女コッペリアが椅子に座って本を読んでいる。家からスワニルダが出てきて、コッペリアに話しかけるが、何の反応もないので、気になっていると、彼女の婚約者のフランツがやってきて、物陰からスワニルダが見ているのも知らず、コッペリアに話かける。その時、窓が開いて人形師コッペリウスが現れ、コッペリアの耳に何か囁くと、何の反応も示さなかったコッペリアが立ち上がり、フランツに向かって挨拶をする。
市長が現れ、一本の実の穂を示し、「この麦の穂を振って音が聞こえた者は、結婚できるであろう。そして明日結婚する二人には、市から祝いのお金が支給される」と宣言し、広場の若者たちが大騒ぎをしていると、突然コッペリウスの家の中で大きな爆発音がする。スワニルダは、そこに住む一風変わったコッペリウス老人のことを皆に話す。市長はスワニルダに麦の穂を渡し、彼女が振ってみると耳元で明るく鳴るので大喜びでフランツと踊り出す、やがて踊り終わり、スワニルダが捨てていった麦の穂を、フランツが拾って振ってみると、やはり鳴ったので彼はスワニルダの後を追う。
広場での賑やかな踊りが終わり、皆が帰っていく夕暮れ。コッペリウスが家から出てくると丁度酒場から一杯機嫌で出てきたフランツ達にからかわれ、家の鍵を落としてしまう。その奥を偶然に拾ったスワニルダは友達を呼び、不思議なコッペリウスの家に入っていく、一方鍵を探しながら帰ってきたコツベリウスは、ドアが開いているのを発見し、慌てて家に入る。フランツは梯子を使ってバルコニーからコッぺリウスの家に入り探検を始める。
第2幕
コッペリウスの仕事部屋
おそるおそる部屋に入ってきたスワニルダなど娘達は、いろいろな人形の中にあの美しい少女コッペリアを見出し、彼女が案は機械仕掛けの人形であることを知る。
そこヘコッペリウスが来て慌てて娘達を追い返すがスワニルダだけはカーテンの陰に隠れる。また窓から忍び込んだフランツはコッペリウスに捕まってしまう。
“コッペリウスに一つの計画が生まれた”それは魔術によって、フランツの生命を抜き取り、コッペリアを人間に変えようとするものである。薬入りの酒を飲まされたフランツは酔い潰れ、コッペリウスはさっそく魔術の本を取り出して読み始める、やがて、カーテンを開けコッペリア(実はコッペリアの衣裳を着けたスワニルダ)を押し出し、フランツから抜き取ってきた精気をコッペリアにそそぐと、不思議なことに彼女が眼をあけ、ぎこちない人形振りで踊り出す。しかし、まだ人間の心をそそいでいないことに気付き、フランツから注意深く、心を抜き取り、コッペリアの胸にそそぐ。するとやわらかな呼吸が始まり、全身に血が通い喋り出すが、寝ているフランツを指し、「私はあの人を愛してしまった。」などと言い出したので、慌てたコッペリウスは、コッペリアをフランツから引き離し、踊りを踊らせる。踊り終わって部屋を出ようとする彼女を、コッペリウスはむりやり部屋につれ戻すが、それに腹をたてたコッペリアが暴れ出し、コッペリウスは怒って彼女をカーテンの部屋に閉じ込めてしまう。この騒ぎで眼をさましたフランツは、コッペリウスに詰め寄るが、逆に杖を振り回して追いかけてくるので、フランツは人形の陰に隠れてしまう。
疲れはてたコッペリウスが崎子に座り込むと、カーテンから飛び出したコッペリアが、逃げながら人形を倒しまわる。
フランツがコッペリア(実はスワニルダ)を引き寄せ「何事だ」と聞くと、スワニルダはカーテンの中の裸にされた人形コッペリアを見せる。コッペリウスはコッペリアの衣裳を着たスワニルダと裸にされた人形コッペリアを見て、全てのからくりを知り、うろたえて激しく落胆する。それをみたスワニルダは、コッペリウスの落胆があまりに大きいので、自分のいたずらを後悔し、娘らしく謝ってフランツと部屋を出ていく。

 

 

 

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