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清水 正夫
(財)松山バレエ団理事長・団長

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松山 樹子
(財)松山バレエ団副団長・芸術監督
松山バレエ学校校長
(社)日本バレエ協会副会長
新「白鳥の湖」を人々の心の中に
新「白鳥の湖」が完成するまでには半世紀にわたる時代の推移がありました。日本における「白鳥の湖」の全幕公演は1946年旧帝国劇場において日本の各バレエ団の合同により、一ヶ月近く連続公演されました。東京の焼け跡に舞い降りた美しい白鳥達の姿に人々は深い感動をおぼえたのです。その後、日本と外国よりの各バレエ団はそれぞれの演出によって「白鳥の湖」を踊ってまいりました。
松山樹子を中心として、1960年代に今までの演出を変えて、松山バレエ団により独自の新演出を上演しました。その後、1970年代に清水哲太郎によりあらた佃寅出の「白鳥の湖」を上演し、ヌレエフなどの参加もあいまって海外公演なども行って演出・振付の完成度が高まりました。
そして、1990年代に入り清水哲太郎によってさらに大きな改革を加えた新「白鳥の湖」を上演することになりました。この新「白鳥の湖」は、あの群雄割拠していた中世のヨーロッパの中のドイツを中心にして時代設定を行いました。困難にもめげず、けなげにも生きぬく或る王国の運命を感動をこめてえがきました。そして可憐な白鳥と若者をおりなした絵巻の中で人々の心の中の真実を力強くうたっております。それはまた今日の人間の希求するものを若者たちに託してうたったものといえます。そして、この「白鳥の湖」は、チャイコフスキーの名曲により、人々の魂の中で永く永く息づいてゆくと思います。皆様に深い感謝をこめて。

 

 

 

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