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パソコンを使った安心のまちづくり

地域ぐるみの防火・防災対策を推進

京都市消防局

 

一、二〇〇余年の永きにわたり、歴史と伝統を守りつづけたまち京都。京都市消防局では、この京都の持つすばらしさを二一世紀へ引き継ぎ、市民が安心して暮らせるように「災害に強い安心のまちづくり」の一環として『地域ぐるみの防火・防災対策』事業をスタートさせました。
この事業は、戦前からの木造住宅や袋路地が多く残る地域等を重点に、地域事情にあった防火・防災対策を推進することで、防災を軸としたコミュニティの活性化を図り、地域の理解と協力をもとに火災その他の災害による被害の軽減を図ることを目的としています。
具体的には、消防職員が各家庭を訪問しパソコンにより「戸別防火診断」を行い、その診断結果を基礎資料として、「地域シミュレーション訓練」や「地域シナリオ訓練」等を行っていきます。
秋の火災予防運動中の一一月一四日に初めて行いましたが、当日は、地域の住民約四〇人に対してビデオによる事業概要の説明が行われた後、実際に個人のお宅を訪問し、パソコンによる「戸別防火診断」を行いました。「お宅での喫煙状況はどうですか?」「天ぷら油から火が出たらどうしますか?」といった質問に答えていくと、家庭での「出火防止あんしん度」、「焼死者防止あんしん度」が算出され、防火診断カルテとして各家庭における今後の対策メニューが提案されます。
説明を受けた参加者は「自分の家から火がでるのが一番怖いですから。」と熱心に耳を傾けていました。
消防局では、この事業を市内自主防災組織を単位として計画的に進め、各家庭から地域に至るまでの「あんしんまちづくり」を目指していきます。

 

「地域ぐるみの防火・防災対策」概要
一 パソコンを活用した戸別防火診断
消防職員が戸別にご家庭を訪問し、防火診断情報をその場でノートパソコンに入力。「出火防止あんしん度」・「焼死者防止あんしん度」を算出して『防火診断カルテ』を発行し、有効な対策を指導します。
○「出火防止あんしん度」
家庭での出火の危険性に対する現状の対策効果
・AからEまでのランクとポイントで表示
○「焼死者防止あんしん度」
家庭において、万一出火した場合、人命に危害を受けないための対策効果
・ポイントで表示
○今後の対策
ソフト対策や必要な防災機器を提案します。

 

二 地域シミュレーション訓練
地域全体の防災情報を用いて、地域における火災の延焼状況や住民の行動をパソコン上で映像としてシミュレートし、ゲーム感覚で現状危険、初期活動の重要性等を指導します。

 

三 地域シナリオ訓練
地域シミュレーション訓練内容をシナリオ化し、住民がシナリオに沿った実施訓練を行うものです。

 

四 地域防災対策推進計画の作成
以上の情報に基づいて初期活動体制や防災機器等の年次設置計画等を地域において作成するのを支援します。

 

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