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防災センター紹介

「災害に強いまちづくり」をめざして

小樽市市民消防防災センター

 

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小樽市は、北海道西海岸の中央部に位置し、札幌市の北西部に隣接する商工港湾都市であり、北海道開拓の歴史の中で、商工業・金融・海陸輸送などの面で大きな役割を果たしてきました。面積は二四三k?u、人口一五七、○○○人で、前面は石狩湾に面し背後には山が迫っており、東西に細長く市街地が形成されております。また古くから栄えた街であるため、古い建物が密集している地区も多いことから、本市では一本部一署一支署八出張所二九三名の消防職員と、一八分団五二名の女性団員を含む五七〇名の消防団員を配置し、地域社会における防火・防災活動に積極的に取り組み、市民の信頼と期待に応えるよう鋭意努力を焼けております。
近年の災害は、社会構造の変革や都市構造の変化に伴い、複雑化、多様化、大型化の傾向を強めており、予測しがたい災害発生の危険性をはらんでいます。本市においても、建築物の高層化、大型化が進み、災害対応への困難性が増大しており、また他都市に比べ社会の高齢化が進んでいることから、いわゆる災害弱者の安全確保が急務となっております。
こうしたことから、直面するあらゆる状況に的確に対応できる体制を整備するため、消防装備の近代化、水利の拡充、通信システムの高度化及び救急救助体制の強化など消防力の充実強化を計画的に進めるとともに、消防職員や消防団員の訓練を一層強力に進めていく必要があります。また新しい時代、新しい社会における災害に対応するためには、地域や職域での自主防火・防災に対する意識の啓発と知識の普及も、欠かすことのできないものであり、この面における強化も重要であります。
このようなことから、本市では災害に強いまちづくりを進める拠点のひとつとして、消防訓練場敷地内に消防訓練塔・市民消防防災研修センターを建設し、平成三年四月にオープンしました。敷地面積九、〇六五?uの市有地に鉄筋コンクリート造二階建一部鉄骨鉄筋コンクリート造八階建延五八六一?uで、そのうち市民消防防災研修センターは二階建部分三二〇?uと小規模ではありますが、研修室では救急隊の指導のもと身近で起こった救急事故に備えての応急処置訓練や普通救命講習会、視聴覚設備を利用しての防火学習を開催し、また訓練塔を利用して緩降機や救助袋による避難体験を実施しております。一方グラウンドでは可換物を実際に燃焼させて消火審や消火栓を使い実消火訓練を行ったり、燃焼実験ハウスを利用しての燃焼メカニズムの学習や、出火室密閉法及び火勢抑制法等の講習を行い、多くの市民から好評を得ております。
また、最近市街地では放水訓練や消火器を使用しての訓練場所の確保が難しくなっているため、市内各事業所の自衛消防隊から格好の訓練場所として注目されており、年々その利用が増えております。
当センターのユニークな点は、消防訓練場と同敷地内にあることから、訪れた市民がいつでも自分のまちの消防隊や救助隊の訓練を視察できることで、これにより消防行政への理解と防災意識の向上に大きく寄与しております。
これからも、センターの利用促進を図り、市民とともに「災害に強いまちづくり」の実現をめざしていきたいと考えております。

 

 

 

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