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「年頭の辞」

 

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財団法人 全国消防協会会長 小宮多喜次

 

平成九年の輝かしい新春を迎え、全国の会員の皆様に謹んで新年のお慶びを申し上げます。
皆様には、平素から本協会の事業運営につきまして格別のご支援、ご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、昭和二三年に市町村の自治体消防として発足し、来年で五〇年を迎えようとしている我が国の消防は、多くの先達と関係各位のたゆまぬご努力により、現在まで着実に発展充実してきております。
しかしながら、都市部においては、土地の高度利用による建築物の高層・大規模化の進展は著しく、地方においても地域の活性化と併せ、コンベンションホール等多目的用途の複合特殊大規模建築物の建設が進められてきており、各種災害・事故の潜在的な危険性が一層増大している状況にあります。
また、人口の高齢化、疾病構造の変化と併せ、高度医療を求める意識の高まりは、救急要請の増加をもたらすとともに、防災ボランティアの組織化など多様化する防災環境下においては、よりきめ細かな行政対応が求められております。
このような状況の下、地域社会における消防の役割は誠に大きなものがあり、直接消防行政に携わる会員の皆様には、大きな責任と期待が寄せられているところであります。
全国消防協会におきましては、これらの諸情勢を踏まえ、一五万消防職員のために消防救助技術の向上、消防情報資料の提供、福利厚生の充実支援など、各種事業を積極的に推進していく所存であります。
会員の皆様におかれましても、本協会の発展と地域住民の安全確保のため、本年も一層ご支援、。こ協力を賜りますようお願い申しあげます。
終わりになりましたが、ご家族共々皆様のご多幸とご健勝を祈念申し上げまして、新年のごあいさつといたします。

 

 

 

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