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消防最前線

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火災

リアス式海岸半島部で産物火災
石巻地区広域行政事務組合消防本部(宮城)

 

当消防本部は宮城県の北東部に位置し、昭和四六年に石巻市を中心とする一市九町で組織された組合消防である。管内人口は約二四万人、面積は七二二?q2で、東の太平洋に面する海岸線は、世界三大漁場の一つで有名な金華山沖を望むリアス式海岸から日本三景の松島に続き、西は大崎平野に続く田園地帯となっている。
消防体制は、一本部、四署、一分署、丸出張所、消防職員二九四名、消防団員三、六九一名である。
今回、ここに紹介する火災は、リアス式海岸半島部にある漁村の住宅密集地から出火した建物火災である。

 

一 火災の概要
(一)出火日時 平成八年七月一九日 ○時二五分頃
(二)出火場所 牡鹿郡牡鹿町新山浜空家
(三)覚知時刻 〇時三七分(一一九)
(四)鎮圧時刻 一時二〇分
(五)鎮火時刻 一時三四分
(六)廃損状況
住宅及び空家四棟全焼(六九七?u)
住宅等四棟部分焼(八?u)
(七)損害額 四、〇二二万三千円
(八)負傷者 消防団員一名(軽傷)
(九)出動車両及び人員
消防署 五台 一八名
消防団 一七台 一七一名

 

二 現場付近の状況
現場は、女川消防署牡鹿出張所から北東約四?qに位置し、牡鹿半島の東端にあたる集落で、太平洋に面している。
集落は、海岸線から直接続く丘陵地のわずかに開けた緩い傾斜地に、約四〇世帯が軒を連ねている。集落を貫く唯一の幹線道路は、幅員四mと狭隘で、東端で行き止まりとなっており、火災発生時には延焼拡大の危険性が高く、大火に発展した場合、防ぎょ体制が困難な地形である。
水利の状況は、半径二〇〇m以内に消火栓一基と防火水槽(四〇t)二基及び自然水利(海)がある。

 

三 活動状況
(一)先着隊現場到着時の状況
○時三七分女川消防署牡鹿出張所で一一九番通報により覚知、通信員は直ちに建物火災出動を指令するとともに、防災行政無線で関係消防団の出動を指令、同出張所からポンプ車一隊が出動した。
出動途上の○時四四分、前方に赤々と燃え上がる火炎の上昇を確認、延焼拡大中と判断し、第二出動及び地元牡鹿町消防団全分団の出動を要請した。
第一出動隊が現場に到着したのは覚知から九分後の○時四六分で、既に現場では地元消防団一隊が防火水槽に水利部署し、消火活動中であった。

 

 

 

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