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◇三国町消防本部◇(福井)

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三国町は福井県の西北端に位置し、港として一七〇〇余年の歴史を有する三国港は、北前船が停泊した主要港として隆盛をきわめてきたが、現在は、漁港として越前ガニなど県下屈指の漁獲を水揚げしている。北側の海岸線は越前加賀海岸国定公園として、景勝地が多く福井の顔である奇勝「東尋坊」をはじめ、雄島、越前松島、海水浴場等変化に富み、四季を通じて訪れる観光客は年間四五〇万人におよんでいる。
当本部は、昭和二三年三月七日消防組織法の施行と同時に、町単独で職員二名で発足した。昭和四〇年に政令指定を受け、現在は一本部、一消防署、四七名の職員で構成され、面積四五・七?q2、人口約二四、五〇〇人の消防の任に当たっている。
昨年の火災件数は四件、救急出動は四九二件である。
現在、救急救命士二名が中心となり、応急手当普及啓発活動を推進している。この一〇月からさらに一名が養成所に入り、九年度中には四名で運用される予定である。水難救助隊も四名で編成され、器具も整備されており、東尋坊等で毎年発生する一〇件前後の救助や釣り客の転落事故に対処し効果を上げている。
♪コンビナート総合防災訓練
管内には福井テクノポートと呼ばれる工業地域に国家石油備蓄基地及び各企業の油槽所と火力発電所等があり、これらを中核とした福井臨海石油コンビナート等特別防災区域を形成している。このため防災体制の万全を図る目的で、本年は、一〇月一六日福井県石油コンビナート等総合防災訓練が福井石油備蓄基地一帯にてとり行われる。消防職員はもちろん消防団員、企業消防隊、自衛隊他多数の参加機関による大規模な訓練であり、現在は、その計画書作成に余念がない。
♪三国消防の名物訓練
例年一月一九日から行われる耐寒訓練(二九にちなんで二月三日まで実施一は署員の心身錬磨のため昭和四〇年から続けられている。上半身裸となり、積雪の歩道(庁舎周囲)をかけ声勇ましく駆け足するもので、好天の日でも裸では寒さが厳しい中を白い息を吐きながら約三〇分走り気を引き締めて仕事にとりかかっている。吹雪の日でも実施されているこの訓練は今ではすっかり町の名物訓練になっている。(写真)
♪小さな消防音楽隊
我が町の消防音楽隊は町民の消防に対する理解と認識を深め、防火思想の普及・高揚を図ることを目的に昭和五九年七月に隊長以下一八名で設立された。出初式など消防行事を始め、町関係行事のオープニングやアトラクションなどに出演し、現在では町民に親しまれた音楽隊に成長、さらに隊員の演奏技術の向上に努めている。
♪防火劇で楽しくPR
管内には一一の保育所があり、幼年期に正しい火の取り扱いを教えるため、「ちびっこ防火の集い」を開催し、ゲームやミニポンプでちびっ子消防隊が放水したり、署員がアンパンマンショーや森の動物達の寸劇を演じるなど、遊びの中に防火をPRしている。また、少年消防クラブを対象に夏季錬成大会を開催し、消防の規律や消防に関する知識、技能などを学はせ防火意識の高揚に努力している。最後に崎田次長は「積極的な技能講習受講と合わせ、各種資格の取得をモットーに化学工場の施設等を指導していけるように高度な知識の吸収をと教育に重点をおいている。非破壊検査技術者の浸透探傷PT、磁気探傷MT等検査技術等の資格取得に成果を上げており、自分から仕事を求めていく積極的人間を育てていきたい。」と結ばれた。
(飯塚文治)

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