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ハロー・ファイヤーマン

女優 中谷美紀

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"生きる尊さを身をもって体験しました"

けたたましい救急車のサイレン。白衣を着て廊下を走る。中谷美紀さんが懸命に走る。テレビ朝日で放送した「小児病棟・命の季節」で、中谷さんは研修医を演じた。肉体の病気やケガを治すだけでなく、心の病いも治そうと苦闘する三浦友和演じる小児外科医。そんな彼の姿を見つめながら医者として、人間として成長していく研修医を、中谷さんは元気に演じた。
医者役は初めてだった。「以前、末期ガンの方たちのいるホスピスに行く機会が何回かありました。その時、お医者さんや看護婦さんが、すごく素敵な顔をしていたのを今でも覚えています、そんな素敵なお医者さんになれたらいいなと演じました」。患者は子どもたち。複雑な家庭環境に育ち、かなり心の曲がった子どももいる。病気にすっかり落ちこむ子どももいる。中谷さんは、そんな子どもに時には強く、時には優しく接し、命の尊さを教えた。
中谷さんは、平成五年、資生堂のCMでデビュー。翌年、「横浜心中」(日本テレビ)で、女優デビューした。続いて「遠山金志郎美容室・(日本テレビ)、「長男の嫁2・実家天国」(TBSテレビ)に出演した。明るくて元気な女の子。「健康には気をつけています。食事に気を配り、自分で料理を作ります。どちらかというと野菜中心です」。健康グッズも買い込み、青竹踏みを日課としている。女優の命は健康。元気娘の源は菜食と青竹踏み−。
「小児病棟・命の季節」では、若手は同じ研修医の山口達也だけだった。三浦友和、室井滋、橋爪功など大先輩に囲まれての初めての医者役。「周わりはベテランばかり。最初は緊張しました。でも、たくさん勉強させていただきました」。女優になるための大切なことをいろいろと学んだ。救急車のサイレンを聞くと反射的に体が動く。人の命を救おうと走り出す。中谷さんはこのドラマに出たことで、生きる尊さを身をもって体験し、女優として、人間としても一段と成長した。
(インタビュー・編集部)

 

 

 

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