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消防最前線

 

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火災

吹雪の中、建具工場火災
鶴岡地区消防事務組合消防本部(山形)

 

当本部は、山形県の日本海側に広がる日本有数の穀倉地帯である庄内平野の南部に位置し、昭和四八年に鶴岡市を中心に、一市五町一村で組合消防が設立された。管内人口は約一六万人、面積は一、三四四k?uで、西は日本海に面し、東に山伏の修験道として知られる出羽三山を拝し、南は新潟県と接している。
消防体制は、一本部、一署、九分署、消防職員二〇一名、消防団員二、九五六名となっている。
今回、ここに紹介する火災は、冬型の気圧配置が強まり暴風雪波浪警報の発令されていた悪天候の中、住宅密集地の建具工場から出火し、吹雪の中での消火作業が六時間もの長時間を要した火災である。

 

一 火災の概要
(一)出火日時
平成七年一月三一日一三時一〇分頃
(二)出火場所
鶴岡市本町二丁目・建具製造作業所併用住宅
(三)覚知時刻
一三時一八分警察専用電話
(四)鎮圧時刻
一五時一九分
(五)鎮火時刻
一九時〇四分
(六)気象状況
天候雪、風向 西、瞬間最大風速、一九m/s 平均風速九m/s、気温一・四度 湿度五六%
暴風雪波浪警報大雪・雷・雪崩注意報
(七)焼損状況
作業所、住宅三棟全焼(七一〇?u)
住宅、店舗等五棟部分焼(九〇?u)
(八)損害額
三、六二〇万七千円
(九)負傷者
消防隊員二名(顔面及び前腕二度熱傷)
(一〇)出火原因
作業所内の薪ストーブから燃え残りが床に落下し、近くの木屑に着火したものと推定する。
(一一)出動車両及び人員
消防署 八台 五二名
消防団 九台 七八名

 

二 付近の状況
現場は、消防署から南へ約七〇〇mの所に位置し、県道にそって商店、住宅等が密集している地区である。
出火した建物は、木造二階建の作業所併用住宅(延面積二九三?u)で、裏手に当たる北側に、同じく木造二階建の建具作業所(延面積二七〇?u)があり、東側、西側とも住宅に隣接し、前面の南側は幅員四mの市道を挟んで住宅が立ち並んでいる。
水利の状況は、半径一五〇m内に消火栓五基、貯水槽(四〇t)一基と水利の状況は良いほうである。しかし火災現場を取り巻く道路の状況は、東側に幅員一二mの県道が走っているものの、県道から入り現場の街区を迂

 

 

 

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