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◇村山市消防本部◇(山形)

 

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山形とい?で思い出されるのが、サクランボ、そして日本最高気温達成の地である。ここで紹介する村山市は、豪雪の地としても有名で一部の地域では、積雪が三mを超す地域もあり、位置的には、山形県のほぼ中央、東を奥羽山脈、西を出羽丘陵で囲まれた村山盆地の北部に位置し、市中央部を日本三大急流随一の最上川が貫流している。
基幹産業は農業で、米を中心にサクランボやリンゴなどの果樹、野菜、畜産を組み合わせた複合経営が主体となっている。近年では金属加工業や電子機器類を中心とした工業も発達し、その出荷額は順調に伸びている。

 

♪市民皆消防
(一)自主防災組織
当市では、「自分たちの街は自分たちで守る」をスローガンに、自主防災組織づくりを推進しており、在、「自主防災会」という名称で一三三の自主防災組織(全世帯加入)が結成されている。この自主防災会は、情報班・消火班・避難誘導班・救出救護班・給食給水班の五つに分かれており、年二回(春秋)の総合防災訓練では、自主防災会の各班がそれぞれの任務に基づいて、積極的な活動を展開している。
(ニ)婦人消防クラブ
市内に在宅する家庭婦人で結成された婦人消防クラブ(一一地区、全世帯加入)は、現在、年二回の総合防災訓練時に、予防広報や消火器による初期消火活動、さらには給食給水活動などを実施している。また、それぞれの地区には軽可搬ポンプが備えられていて、この操作訓練もできるようになっている。

 

♪少数精鋭=やればできる
当本部では、昭和五六年に消防救助隊を結成したが、救助技術大会への参加は昭和四九年から出場している。昭和五〇年の東北大会で二位に入り、全国大会出場を決めたのを皮切りに、全国大会には通算九回出場し、一二種目にわたり優秀な成績を修めた。「小さくても、努力すれば必ず良い結果を残すことができ、また、全国にも通用することが証明された。」と消防長は誇らしげに語られた。

 

♪消防団の活性化推進
当本部では、『災害のない安全なまちづくりの推進』の一つとして消防団の活性化推進がある。現在団員は九四七名いるが、昼間いるものはその一〇%たらずでサラリーマン化が進んでいる。また、青年層の入団が少なくなっているのも深刻な問題となっている。このことについて、齊藤消防長は「若者の価値観に対応していかなければならず、ボランティア的なものの考え方で対処していくべきで、報酬の見直し等、より一層の処遇改善を図り、魅力ある消防団としていかなければならない。」と切実に語られた。

 

♪消防職員委員会設置に向けて
昨年一〇月に消防組織法の一部が改正され、今年の一〇月までに各消防本部に消防職員委員会を設置することとされた。齋藤消防長は、「当本部では、七月五日付で示された消防職員委員会に関する準則に基づいて、迅速に市町村規則などの作成に着手できるよう、常に国等の動向に目を向け、適切に対応していきたい。」と述べられ、この委員会設置に向けた積極的姿勢が例えた。

 

♪やらざるを得ないのです
「このような少人数の本部では、全員が全ての業務をこなしていかなければならないのです。ですから、誰一人として怠けたりする時間すらないのが現状です。まさに少数精鋭主義、そしてオールマイティーな職員の育成を目標に頑張っております。このような職場のなかで、職員は積極的に資格取得に励んでいます。」と消防長は職員の自主性を讃えていた。
(大谷正明)

 

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