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ハロー・ファイヤマン

女優 五十嵐いづみさん

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「車を思いっきりぶっ飛ばしました」。五十嵐いずみさんが、えらく威勢がいい。テレビ朝日系で放送した「炎の消防隊」で五十嵐さんは、ポンプ車の運転手吉川桃代を演じた。桃代はかつては暴走族。オートバイを乗り回していた。だからドライビングテクニックは天下一品。合法的にスピードを出したくて消防署に入り、ポンプ車の運転手になった。男まさりで、なめた顔をした男にはポンポンと突っかかっていた。
「男まさりの役は初めてでした。これまでの私はお嬢さま役が多かった」。デビューは昭和62年、「少女コマンドーいずみ」(フジテレビ系)。このドラマではバズーカ砲などをぶっとばし、アクションの連続だった。勇ましかった。「小学生の女の子から“私のお姉さんになって下さい”というファンレターがたくさん来ました」。
その後は、「七人の女弁護士」(テレビ朝日系)で、女弁護士役。そして、「外科医・格又三郎」(テレビ朝日系)で看護婦、「僕らに愛を!」(フジテレビ系)でスチュワーデス。おとなしめの役が確かに多かった。「コメディーっぽい役とか、存在感のある人を演じたいと思っていました」。消防車の威勢のいい運転手は、彼女にとっては初めての役だった。
「炎の消防隊」は、消防官の世界をリアルに追った人間ドラマだった。主人公は仲村トオルと東幹久。火事シーンには、スタントマンを使わず、二人が本当にチャレンジした。そんな体当たり演技が、茶の間の人たちを感動させた。「消防官は、体力的には大変ですね。でも、やりがいのある仕事」(仲村)。「あのドラマに出てから消防車のサイレンに敏感になりました。たばこの火に気を付けるようになりました」(東)。
五十嵐さんも、ドラマでは火事現場を何度も経験した。男たちの活動場面も目にした。「命をはっての仕事。命がけで人命救助にあたる消防官の姿に頭が下がりました」。ところで火事について−。「ない方がいいに決っています。火の用心につとめています」。
(インタビュー・編集部)

 

 

 

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