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新機種紹介

消防通信指令システム

岡崎市消防本部

 

はじめに
本システムの最大の特徴であります車両管制システムは、二一〇インチの大型スクリーンに災害発生位置及び出動車両の現在位置を表示して、車両管制を行うことを基本構想として、三年程前から独自に研究開発に取り組んできたものです。
このシステムの基本的な仕組みは、地球上のどの地点からでも常に四個の人工衛星からの信号(時間・位置)が受信できるシステムを利用したものです。
消防車や救急車など二九台の車両に積載したコンピューターが、この信号をキャッチして解読、消防無線により一五秒毎に信号を伝送、出動車両の現在位置を一二〇インチ大型スクリーンに表示するもので、車両位置管理装置により災害出動や業務出向車或いは点検整備中などの車両状況の常時把握と合わせ、一一九番発信地表示装置との連動により、災害発生地点に最も近い車両を自動的に選定して効率的な部隊運用を行うものです。
また、このシステムは大型スクリーンに気象情報及び台風の現在位置や進路などの表示のほか、将来的にはテレビ伝送システムとの接続により災害現場の活動状況などの映像を映し出すことが可能な仕様となっています。
一 新指令システムの構成
岡崎市の消防通信指令システムは正面左の車両運用表示盤、中央の一二〇インチスクリーンによる車両管理システム、正面右の支援情報表示盤、そして最前列の消防救急指令台右側の車両管制システム大型スクリーン操作卓、二列目の車両位置表示装置、無線統制台、自動通報装置、三列目の一一九番発信地表示装置、車両動態制御卓のほか各車両に積載のナビゲーションシステムなどから構成されています。
二 一一九番通報及び災害出動
それではシステムの内容について順を追って説明します。
災害の発生により、市民からの一一九番通報の受付けと同時に一一九番発信地表示装置が稼動し、災害発生地点が(火)、或いは(救)マークで表示され、同時に通報者の住所・氏名が文字情報として一二〇インチ大型スクリーン及び消防救急指令台のキャラクターディスプレーの画面に表示されます。つづいて災害発生地点に最も近い車両を自動的に選択、車両運用表示盤に表示、さらに消防救急指令台から一斉指令により出動した車両を、人工衛星を利用した車両管制システムにより一五秒毎に検索して大型スクリーンに車両の位置を表示します。
次に、車両運用表示盤につきましては液晶文字表示方式により、消防本部、消防署、消防団全車両の表示と合わせ、災害発生時の出動車両について自動出動指定装置、車両動態システムとの連動により活動状況を文字で表示するものです。
また、各車両に積載してある一〇インチのナビゲーションシステムは、災害発生位置や進行経路の表示のほか、三種類の地図や水利表示などにより出動部隊の活動を支援するものです。
三 まとめ
本システムは、最新のコンピューター技術を駆使したシステムで災害発生場所の検索の自動化或いは部隊の自動選定による出動所要時間の大幅な短縮と合わせ、一二〇インチ大型スクリーンによる出動車両の現在位置把握により災害活動の一層の効率化と第二次災害への即応性が飛躍的に高まるなど、市民生活の安全確保に大いに威力を発揮するものと期待しています。

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