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25th RESCUE MEET1996

8.26 陸上会場 札幌市消防訓練場
水上会場 札幌平岸プール

 

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第二五回全国消防救助技術大会(主任制全国消防協会、後援自治省消防庁、全国消防長会、日本財団)が、去る8月23日札競市の消防訓練場において、来資及び全国の消防関係者約3000人が参加し盛大に挙行された。
この大会は、全国の消防職員がお互いに持っている救助技術を披露し、また訓練成果を大いに発揮し、技術の相互交換、研鑚の場とするために昭和47年以降毎年開催しているもので、大会をとおして、更に能力を高め人命を救助する技術・体力を一層練成して消防の任務とする救助業務の完遂を図ることを目的としている。
大会会場の札馬市は、明治初期に開拓使が置かれて以来、先人の弛まぬ努力により僅か一世紀あまりで飛躍的な発展を遂げ、現在は人口176万人を有する「北の理想都市」として、また、21世紀に向けて「北方6の拠点部市・新しい時代に対応した生活都市」を実現するため「世界に結ぶ・北の都市機能を創造する・先駆な実験を継続する」を基本姿勢として、まちづくりを進めている。
当日は、朝から激しい雨が降り続く肌寒いあいにくの天候であったが、北の大地で初めて開催される大会を心待ちにしていた大勢の消防関係者や一般市民が朝早くから駆けつけ、荒天をものともしない熱気と興奮に包まれていた。
開会式は豪雨のため、救助隊員の勇姿を披露する入場行進は取り止めとなり、会場内に張った各地区支部待機テント内に隊員が整列しての挙行となった。
午前九時、大会運営委員長である吉本札幌市消防局長の清明なる開会宣言により大会の幕開けである。全日殉脚消防職員の御霊に対し黙祷を捧げ、国債及び大会旗を掲揚後、小富会長、桂札競市辰のあいさつ、秋本消防庁長官、堀北海道知事、札競市議会会議長(代理・澤木札幌市議会副議長)の祝辞、多数の万々からの祝電を代表して倉田自治大臣の祝電披露と続き、大会審判長である古本北九州市消防局長から悪天候に伴う安全措置を考慮した訓練要領の一部変更等の審判長指示後、出場隊員を代表して札幌市消防局の成田隊員が力強く隊員宣言を行った。
開会式終了後、水上の部は札幌市豊平区にある公認屋内プールの札幌平岸プールに会場を移し、陸上の部九種目、水上の部七種目の訓練が行われた。
陸上会場では、豪雨のなか十分な訓練が出来るかと大会関係者一同危惧する状況であったが、流石如何なる状況下でも任務の遂行を目的に活動する救助隊のなかから、特に選抜された精鋭の隊員達である、豪雨をものともしないファイト流れる闘志で、日頃錬磨した技術を遺憾なく発揮した。声援を送る観衆からは、その強靱な体力・高度な技術・俊敏な動作の一挙一劇に驚きの声が上がり、各チームの訓練が終了する度に会場のあちこちから隊員への慰労の拍手が鳴り響いていた。
訓練は雨による進行の連れもなく予定どおり進み、会場の周辺では訓練を終えた隊員達の輪ができあがり、お互いの健闘を賛え再会を誓い合いながら、技術交換を行っている姿や訓練を離れて楽しく談笑している風景が見受けられた。全国消防救助技術大会は、各地の消防職員が一堂に会する唯一の場であり、本大会をとおして全国の救助隊員の友好の輪が広げられている様子が垣間見られた。
全ての訓練が終了し、雨上がりの実やかな風に大会順がたなびくなか、陸上会場では市民と消防を結ぶ音の架け橋として活動し、市民から親しまれている札幌市消防局の演奏とよさこいソーラン踊り隊による若者のパワーとエネルギー溢れる特別演技(よさこいソーラン踊り)が披露されると、訓練の興奮さめやらぬ隊員にも笑顔が戻っていた。
閉会式では、小富会長から訓練成果と長期に渡る厳しい訓練の慰労と「この大会を契機とし、今後も地域住民の負託に応えられるよう、より一層の技術の錬磨と研鑚に努められたい。しとの講評があり、国旗降納に続いて大会旗が吉本札幌市消防局長から次期開催地の森千葉市消防局長に手渡され固い握手が交わされた後、吉本札幌市消防局長の閉会宣言により、第25回全国消防救助技術大会の幕は閉じられた。
豪雨のなかで会場設営及び大会の運営に当たられました札幌市消防局に対し衷心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

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