しかし、ニュージーランド船主は、経済事情からして採算面、金融面などを考慮して最も有利となるような経済優先の契約を希望している。
従って、これを満足させるためには、高性能の経済船であり、かつ低船価であること、支払い代金の延払い期間が可能な限り長いことなどが、契約条件として最も重要な要素である。
(E)取引ルート
ニュージーランドでは、一般に物資の調達は入札制であり、国内および英国・英連邦の入札者は優先的に取扱うが、資本財、生産財については差別することなく、最も有利な条件のものが落札している。
また、入札によらずに、直接交渉して契約する場合もあるので、船舶については、官民双方の海連関係者を対象に、技術および経済の面に重点を置いて、直接接触しPRすることが有効なルートである。
(7)競争相手国との競争条件の比較
(A)延払い、船価、品質等条件の比較
わが国は、船価の点では円高の影響もあり、香港、台湾、韓国などをはじめ、欧州競争相手国と比べ劣るが、納期の点では正確であり、短期間という利点で、わが国は上位にある。
品質については、中小型船が主であり、貨物船が多く、その他も特に高度の技術を必要とするようなものではないので、どの造船国の建造でも殆ど優劣はないものと思われる。
(B)ニュージーランドに対する歴史的、経済的なつながり
ニュージーランドの北島と南島は、1840年に英国の植民地となるまで、ポリネシア人種のマオリ族(Maori)が住んでいた。
ニュージーランドの原住民であるマオリ人は、伝説によれば、13世紀の頃、南
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