
■分科会(英語版P.16)
技術委員会に引き続き分科会が開催され、オクタビオ・ヒンズペーター・ブルムサク アメリカ地域会長が議長になり、次の話題について活発に討議された。
(1)消防隊員の募集と維持について
アメリカ合衆国ジェームス・モコハン氏から、現在、全米のあらゆる地域が消防隊員数の減少という現状に直面している。そのため、全米義勇消防連盟は消防庁の協力を得て、その現状と問題を調査しており。この消防隊員の減少は、決してアメリカだけの問題でないことが報告された。
(2)義勇消防士の国際交流と器材(情報)交換について
ブラジル連邦共和国ペドロ・ファーナンド・カバレロ・カンボス氏から、消防活動や器材の国際的な情報交換は我々の活動をより充実させるために大変重要な役割を担っている。しかしながら、経費的な問題がこの実行を困難にしており、解決法を見出ださなければならないとことが提起された。
(3)パナマ運河地帯の消防サービスについて
パナマ共和国コロネル・クリスチャン・アーネイサー氏から、パナマ運河における水門、ドック、エンジニアリング、設備、自治体及び住宅地の防災活動についての説明と1977年にアメリカ合衆国とパナマ共和国間でパナマ運河の防災に閲する条約が締結され、両国の代表による防災協議を基本に、パナマ義勇消防連盟とパナマ運河委員会消防部が防災指揮をとっていることが発表された。
(4)テロによる破壊活動と消防の対応について
ペルー共和国ビクトル・ポテスタ・バスタンテ氏から、テロリストが人間や建物を攻撃の的としたが、消防はその対応に積極的な参加が求められたこと、車両火災、爆弾車による破壊事件が頻発する中、死傷者の救助や応急手当、また危険物への対応が多くなり緊急時対応の見直しを迫られ、消防士の技術向上と適切な訓練が必要になったこと、毎日発生する緊急事態の処理には従来の作戦では間に合わず、もっと高度で迅速な反応が必要になったと、この時の戦いを忘れる事なく、またこの貴重な経験を世界の教訓にしたいことが発表された。
(5)ベネズエラの新法律について
ベネズエラ共和咽コロネル・アーネ・ルーストナ氏から、1996年ベネズエラ共和国議会によって新法律が承認された。この新法律は全61条で構成されており、その内容が資料を元に紹介された。
■全体会議(英語版P.17)
技術委員会、分科会を総括する全体会議が開催された。それぞれの会議で討議された事項が取りまとめられ、事務総長から次のとおり報告され、満場一致で承認された。
第4回アメリカ地域総会において、加盟国間の連帯強化を図りつつ、当面する諸問題、とりわけ消防技術の向上及び消防情報交換等の必要性等について討議し、次のとおりまとめた。
?@消防技術の向上と情報交換について
地震、火山噴火及び水害等の自然災害をはじめ、複雑、多様化する都市型災害、航空機事故さらにはテロリストなどによる破壊活動など予測しがたい災害の発生が増大し、今日、我々消防が身を挺して活動する業務は多岐にわたってきている。
これらの災害に対処するため、我々は日頃から消防技術の練磨と先進的な消防技術の習得を行い、広く最新の知識と情報の収集に努める必要があるとともに、テロをはじめとする様々な災害に対して活動した経験や情報を互いに共有する必要がある。
連盟は各国と協力し、消防情報のみならず、より効果的な情報提供を積極的に推進する必要があり、世界の消防に関する文献の収集等を行うとともに連盟発行の機関誌等に掲載するなど、更なる活動の充実を図ることを確認した。
?A消防力充実のための整備について
地域の防災力、安全体制を高めるためには、防災活動の最前線で活動する新たな義勇消防隊の新設、義勇消防隊員の募集と消防装備の更新、処遇の改善等の整備が急務であり、魅力ある義勇消防体制の構築が必要となっている。
また、広く国民が義勇消防を理解するため、子供の頃から消防に対する関心を高めさせる必要がある。
このことから、先進国はその実情に応じて発展途上国に消防資器材等の援助を行うとともに、世界表勇消防連盟としても消防力向上のための情報交換や技術的支援を積極的に展開していくものとする。また、自国の消防力を越える災害発生に備え、相互応援体制の整備、推進を行い、お互いが助け合うことを確認した。
○第4回アメリカ地域総会参加者名簿(英語版P.18)
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