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11. エンジンの点検と整備

1. 燃料漉器の掃除

燃料漉器は燃料供給ポンプの吸入側にあります。燃料の中に混入した不純分を除去するためのもので、随時掃除ができるものと、使用時間により漉器を取り替える方式があります。掃除ができる形式の漉器は、決められた時間に漉器を分解してエレメントの部分を灯油か軽油で綺麗に掃除して下さい。
漉器の分解に際しては、組立の順序を覚えながら分解することを忘れないようにして下さい。

2. 潤滑油漉器の掃除

潤滑油漉器は燃料油の漉器と大体同じ形式になっていますので、燃料油の漉器と同じ要領で掃除を行って下さい。使用時間により漉器を取り替える方式もあります。

3. 冷却海水部の汚れ

清水冷却器の海水側は、水垢や貝の付着、汚泥の吸い込みなどによって汚れ、冷却効果を阻害されます。冷却清水の温度が一定しない場合に調べて見る箇所の一つです。冷却器のカバーは簡単に開放できますので、開放・点検して下さい。もし汚れがあるようでしたら掃除して下さい。汚れがひどい場合や、手に余る場合には業者にお願いすることです。

4. 防食亜鉛の取替え

異種の金属は海水の中で局部電池を形成して電気による腐食を起こします。その際、防食亜鉛を腐食させ、エンジンの大切な部分を腐食から守るのが防食亜鉛の役割で、エンジンの海水側やアウトドライブの各所に防食亜鉛が取り付けられていますので、その場所を一確認しておいて下さい。防食亜鉛が腐食して無くなると、エンジンの大切な部分が腐食しますので、防食亜鉛が元の大きさの1/2程度腐食したら新しいものと取替えて下さい。その際電気の流れを阻害するような塗装は避けて下さい。

5. 潤滑油の管理

潤滑油の管理はエンジン取扱の中で最も重要と思われることの一つです。潤滑油は金属と金属の接触部の摩擦による焼き付きを防ぐとともに、エンジンを清浄にし、エンジンを冷却するなどの働きをしています。潤滑油の劣化はエンジンの寿命を短くし、故障の原因にもなります。もしオイルの色が極端に黒くなり、粘度が上がったら新しい油と取替える必要があります。また、油の量を計測して量が増えた場合には、燃料や水の混入が考えられますので注意して下さい。
通常は潤滑油が少しづつ減り、時々補給するのが普通です。粘度が下がりサラサラした

 

 

 

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