日本財団 図書館


 

4. ディーゼルエンジンを運転するときの注意

 

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの相違点は、ガソリンエンジンが吸気にガソリンを混合してシリンダに吸い込ませること、その混合気に電気の火花を飛ばせて点火し燃焼させることを除いて殆ど構造上の差はありません。この項ではディーゼルエンジンを主にした形で説明します。

 

1. エンジン始動前の点検

何事でも作業にかかる前には十分な点検が必要です。それではこれから出港に際してのエンジン点検について考えてみたいと思います。

 

?燃料タンクに燃料が十分ありますか
航海計画に合わせて十分な燃料を準備しましょう。万一の場合に備え、出来るだけ満タンで出港することをすすめます。
港を出ると海の上にはガソリンスタンドが無いことを忘れないように。入港したら常に燃料を満タンにすることを習慣づけるようにしましょう。

燃料タンク

015-1.gif

 

燃料が少ないと燃料タンクの中の空気の量が多く、外気が冷えると空気中の水分が水滴になり、燃料に混入してエンジン不調や故障の原因となります。また、燃料タンクは長時間使用していると、タンクの底部に水分やゴミが溜まりますので、タンク底部にあるドレンコックを時々開けて透明の容器にドレンを受け、水分やゴミがあるかどうかを確認して下さい。もし燃料の中に水分や不純分がある場合にはドレンコックから取り除いて下さい。
?エンジンやマリンキャーの潤滑油は規定量入っていますか
潤滑油はエンジンにとって大切なものです。エンジンの摩擦部分に潤滑油の供給が途切れるとエンジンの焼きっきを起こし、船内では修理不可能な事故となります。常にオイルレベルゲージでオイルの量を確認し、規定量を保つよう注意して下さい。オイルが不足している時は必ず補給しましょう、ただし上限以上には入れないで下さい。また計測時にレベゲージに付いた油で汚れの状態も確認しましょう。

エンジンオイルの点検

015-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION