なのはエアータービンを回す圧搾空気を作るコンプレッサーである。私の隣にあるのは歯科治療ユニットである。この画面に写っているものだけで270万円した。ここに写っている物の他に、その日の治療内容に応じたこまごまとした物をいれると、一番多い日で70kg位の器械、器具、材料を持っていくこともある。
昨年の11月まではこれだけの器具で(図-4)38人の患者に対し、延べ335回の歯科訪問診療を行ってきた。左にあるのが豆電球付き額帯鏡である。右にあるのが義歯の調整の時に、バーを回転させてプラスチックや金属を削る充電式携帯用小型エンジンである。
歯科訪問診療には歯科医師の私と2人の歯科衛生士の合せて3人で出かける。私が車の運転をする。私たちが出かけると、診療所の歯科はだれもいなくなるが、医師1人、看護婦2人の合せて3人の内科のスタッフと2人の事務職員が仕事をしているので、留守番には困らない。
午前中に、診療の合間をみて、当番にあたっている1人の歯科衛生士がアポイントブックに書かれた診療予定を見て、その日に持っていく器械、器具、材料、カルテ、レントゲン写真、模型その他を用意する。時に、忘れ物をして、1人の歯科衛生士が取りに戻ることもあるが、こんな時こそ患者さんと親しくなるチャンスである。じっくりと世間話をする。特に、ダイエットや特別な運動はしていないが、今年の1月から5月の間で、体重が5kg減った。70kgだったのが65kgになった。私に同行している36才の2人の歯科衛生士も白衣の上からの観察であるが、確実にスマートになっているのがわかる。そんなことからわかるように、かなりの重労働である。
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