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序文

へき地医療学術論文集(No.5)を発行するにあたり

社団法人 全国自治体病院協議会会長 諸橋芳夫

昨年度に続き、このたび、農山漁村離島など医療に恵まれない地域で診療に従事されている村象に、これらの地域の医療の体験に基づく研究発表、症例報告などを内容とする論文にしたところ、23編という多数の論文が寄せられた。いずれもへき地医療の体験に基づいた優れた論文で、この論文集には全応募作品を掲載させて頂くことにした。

勿論、細分化されたそれぞれの限られた医療の分野における学術論文は、大学の医学部等から発表され、諸外国からその成果は高く評価されているが、へき地医療等の分野における学術的論文は極めて少ないのが現状である。例えば高齢者社会の到来とともに、最近とみに強調されるようになってきた医療と保健と福祉の連携にからむ医療分野における問題点とその対応、複数の臓器にわたる多様な疾病について、全体をみての適切な対応、離島等における医療情報システムによる疾病への的確な対応等もその例である。へき地医療における画像伝送システムの利用、地域包括医療体制、病診連携、総合診療とへき地医療等今回取り上げられているへき地医療の体験に基づく学術論文集としてふさわしいものである。

へき地医療の体験に基づく学術論文の公募は、今回が5度目で今回発行の論文集は、1996年度No.5としたが、今後も継続し発行することとし、医療、特にへき地医療の分野における学術論文集として広くへき地医療に挺身されている医師の診療に役立つことを期待している。

なお、応募された23編については、自治医科大学学長 高久史麿先生を委員長とする選考委員会に審査をお願いし、最優秀作1編、優秀作2編、佳作7編を選んで頂いた。
応募された21人の先生、審査を担当された高久史麿先生をはじめ6人の先生に厚くお礼を申し上げます。
最後に、この論文集の発刊にあたり御協力を頂いた厚生省健康政策局長、日本船舶振興会会長その他御協力を頂いた方々に厚くお礼を申し上げます。

 

 

 

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