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ドイツホスピス視察
1996年7月14目(日)〜17日(水)音楽療法世界大会
1996年7月18日(木)〜27日(土)ホスピス見学
(財)ライフ・プランニング・センターのボランティア・ホスピス視察ツアーは1982年以来1996年まで毎年実施されてきれ1982年と1983年はアメリカ合衆国、1984年はアメリカ合衆国とカナダ、1985年は英国とスウェーデン、ノルウェー、1986年と1987年はホスピス発祥の地イギリス各地で代表的なホスピスを見学、1988年は音楽療法の見学もまじえてカナダとアメリカ合衆国へ、1989年はエイズが話題になったアメリカ合衆国、以後、オーストラリア(1990)、アメリカ合衆国(1991.1992)、オーストラリア(1993)、シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド(1994)、オーストラリア(1995)と続き、主として医療の場でボランティアはどのような活動をしているかを中心に見学してきたが、今回はじめてヨーロッパ大陸へ渡りドイツのホスピスを訪間する機会をもった。
ご存知のとおり、ドイツは日本の学校教育にデス・エデュケーション導入の必要性を指摘され、「生と死を考える会」を組織された上智大学のアルホンス・デーケン教授の祖国でもある。第二次世界大戦を戦い、日本と同様に敗戦国となったドイツではあるが、ナチズムの影響を徹底的に払拭する強い国民的コンセンサスと、戦後東西ドイツに分断されたのち再統一されるなど、私たちの想像も及ばぬ体験を重ねた国である。
ドイツのホスピスムーブメントも、イギリスのシシリー・ソンダース医師によって始められたセントクリストファースホスピスの影響を受けて起こってきたものだという。そういう意味では日本と同じスタートだともいえようが、その後のホスピスの発展は目覚ましく、1995年10月現在、ホスピスは29、緩和ケア病棟は26に達している(日本は1997年6月現在緩和ケア承認施設32)。人口が日本の7割弱(7,900万人)ということを考えてみればその普及は明らかであろう。
今回、ドイツのハンブルク市で開催された第8回音楽療法世界大会への出席に合わせ、ドイツのホスピスと病院の見学を行った。見学するホスピス3カ所とホスピス協会はデーケン先生の助言をいただいて選んだところである。また、フィルター・クリニク(ドイツでは病院をクリニクと称する)はルドルフ・シュタイナーの主唱する全人的医療の理念の下で、いわゆる芸術療法を実践している病院として見学に加えた。
私たちの見学の成果を以下に報告するのでご一読いただきたい。
今回の参加者は下記のとおりである(五十音順)。
朝日俊彦・鎌田真喜子・佐藤玖子・鈴木玲子・高須克子・鳥居祝子・中川禎子・馬場昌子・日野原重明・平野真澄・船場久仁美・宮下奈己・森岡京子・米沢宣子
〈現地参加者〉
佐藤道子・高草木議・間瀬知子・南吉術牧師夫妻、二村エッケルト敬子・ズクラーゲン夫妻

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