はじめに

財団法人ライフ・プランニング・センター理事長日野原重明

日本における唯一の独立型ホスピスであるピースハウスが生まれてから、1997年8月で3年10か月が過ぎました。「石の上にも三年」というたとえがありますが、最初の3か年は、医師もナースもまた他の働き人も、自身の心は亡くなっていかれる患者さんやそのご家族に集中されながら、スタッフ間のチームプレーに悩み、いろいろなことを試行錯誤しづつ、一日一日を院長以下スタッフの懸命な努力で歩んできました。

また、第4年目に入ってからは、病棟の仕事・研究所の仕事などの分化がなされ、それぞれの責任が明確にされたことにより、チーム形式が合理的かつ緊密に実践されるようになり、その結果、患者や家族の方々への配慮が濃くなってきました。それとともに、ホスピス医学の学間性を高めるための症例研究会の内容もだんだんとレベルアップしてきました。

また、今年度は日本のホスピスだけでなく、アジア太平洋地域全体のホスピス運動の発展を考える「Asian Pacific Hospice Network」の事業を一段と発展させることができました。

過去1年のピースハウスの足跡と業績を本誌に掲載し、ピースハウスに関心を寄せられる方々にご覧いただけることを感謝します。

1997年3月

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