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糖尿病療養指導士育成への取組み

 

山本美砂子
日本糖尿病協会療育指導士委員会委員

 

1 はじめに

みなさんは臨床で毎日患者さんを教育しておられると思いますので、その部分については簡単に触れるにとどめ、アメリカで23年の歴史をもっている糖尿病教育士(CDE)制度についてお話ししようと思います。これは国家資格ではないのですが、かなり高い社会的地位を得ており、毎日この資格をもった方々が活動しています。2年後(1998年)をめどとして日本でも認定試験を開始するというお話が先ほど池田先生からありましたが、それについて日本糖尿病協会でいくつか原案が出ておりますので、そのあたりに触れ、あわせて患者さんを教育する上での医療スタッフの質を心理学的な方面から見た内容を含めてお話ししたいと思います。

 

患者教育のための糖尿病の知識

この点については先の池田先生のお話に譲り、項目を上げるにとどめさせていただきます。
まず患者教育を行うための糖尿病の知識ということですが、先ほど池田先生からお話がありましたが、薬物療法はめざましい動きがあって、1年前の治療でも現在あまり用いられていないということもありますから、最新情報を収集することが必要です。また合併症についても池田先生から、厳格な血糖コントロールによって合併症は減らせるというお話がありました。日本は合併症をもっている患者さんがかなりふえています。人工透析導入率の第一位は糖尿病ということになっているという状況です。こういった合併症に関しては検査データの読み方がとくに重要になってくるかと思います。

 

 

 

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