日本財団 図書館


 

健康感を実感できますから、QOLの改善にも結びつきます。
もっと詳しくは、『糖尿病運動療法のてびき』(医歯薬出版)という本がありますので参考にしていただければと思います。患者さん向けには『運動療法ガイド』(医歯薬出版)が出ています。
以上が食事、運動を中心にした顕性糖尿病期の基本治療です。

 

糖尿病の薬物療法

1.経口血糖降下薬

以上に加えて、必要があれば薬物療法を行うのが今日の治療のすすめ方です。
従来。薬物療法はスルホニール尿素系剤一辺倒できたわけですが、これはインスリン分泌促進薬で、膵臓に働く薬です。ところが、いまは古くから使われているビグアナイド剤、それからこの2、3年新たに登場してきた食後過血糖改善薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)、間もなく発売になるインスリン抵抗性改善薬などの薬物が、消化管に対する働き、あるいは末梢組織におけるインスリンの感受性をよくする働きで血糖コントロールを良好にします。この3種類の薬には、膵臓への直接作用はまったくありませんから、軽い糖尿病でインスリンの効きが悪い、あるいは食後血糖だけが高めになっているといった例では、この3つの薬の選択で、食事、運動療法にプラスしての血糖コントロール効果が期待できるわけです。
軽い糖尿病にインスリンの分泌を促進する薬を使えば、低血糖を起こす可能性が非常に高いわけです。たとえ少量といっても危険を伴う例が見られますので、安全という面と効果という二つの面から4種類の薬剤選択肢をうまく使っていく必要があるわけです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION