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査、微量アルブミン尿、少なくとも腱反射とか振動覚など神経系の検査もしてもらう。そして、動脈硬化を視点に置いて、血圧、心電図、血液脂質などをチェックしてもらう。以上に加えて年1回は定期健康診断、成人病健診、人間ドックを受けることを勧めたい。
これは少なくとも糖尿病に関わって看護をしている人たちであれば常識として心得ていることなのですが、医師のほうがなかなか実行してくれていないのが日常の外来でしばしば見られるところです。これを促すために『糖尿病手帳』を患者さんに持っていただいて、検査が遅れていれば、催促してでも受けるようにしてもらう、というのが要指導から要医療になった人たちへの呼びかけです。

 

治療の基本は食事療法

そういう人たちでも基本の治療は食事療法にあるわけです。食事療法としては、だれもが守るべき内容を忠実にやるということが必要であって、「一無、二少、三多」と先ほどお話ししましたが、二少の部分、つまり腹7、8分目で、アルコール・甘味飲料も含めて少量にとどめ、主食としてとる穀類はできるだけ色のついたままにします。それの意味するところは食物繊維の多い食事をとってもらうということです。病院給食の中でこれがどの程度まで配慮されているかということにいつも疑問を感ずるのです。入院中くらいはおいしくごはんが食べたいという要望があることも事実ですが、こと糖尿病に関しては、できれば色のついたままの穀類にしていただきたい。皆さんからもそういったアピールを栄養部にしてもいいでしょう。そして一日30種類以上の食品を組み合わせる栄養バランスが基本です。食事については食品交換表に準じていただく。食事、運動、薬物療法、インスリン注射などに関する手引書として

 

 

 

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