になっている。要するに過剰なインスリン分泌がなされている。
太っていても、血糖値が2時間値で300にもなるほどに障害されてくると、インスリンの出方が悪いから血糖値も高値が示されるという状態なので、糖負荷試験でただ血糖がどのくらい高いかを見るだけでは不十分で、とくに軽い糖尿病のレベルの人たちについての情報としては、インスリンがどのように出ているかということをしっかり見ていただく必要がある。この検査では空腹時のインスリンと30分、60分、そして120分の4回にわたってインスリンが測られているのです。4回測定することは精密糖負荷試験の保険点数の範囲で十分できることですから、患者さんの今後の治療方針を決める上でこの情報は非常に重要ですからぜひやっていただきたい。皆さん方の医療機関、もしくは先生方がどういう方法をなさっているか、一度カルテをチェックしていただければと思います。軽い糖尿病の人たちに関する情報が集積されてくると、先ほどの動脈硬化のリスクファクターの分析ということを踏まえて、糖尿病によるリスクの軽減に直接役立ってくると思います。
肥満と高インスリン血症の関連
では肥満がどのように関わって高インスリン血症をもたらしているのかということを図3でお話ししてみたいと思います。肥満に関して遺伝が非常に深く関わっていることを最初に申し上げました。いまわかっている遺伝子レベルの異常は、一つは脂肪組織から分泌されているob蛋白(レプチン)というやせのホルモンがある程度太ってくると分泌されてきます。これが分泌されて、もう体脂肪はそんなに要らないという情報が脂肪組織から発信されているのですが、それを受け止める視床下部の受け止め側に、どうもそれをしっかり受け止めてくれないという仕組
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