日本財団 図書館


 

ればならない人たちの選別は、X症候群(インスリン抵抗性はか)を呈している、あるいは死の四重奏(上体肥満、耐糖能障害、高血圧、高中性脂肪血症)にあるという判断の中で行われるべきであるということなのです。

 

2.精密糖負荷試験によって治療の必要度を鑑別

日本人の場合、要指導と判定した人の中で、以上のすべてを満たす人はいまのところはまだ2〜3%くらいではないかといわれています。ですから、要指導と判定した数は非常に多いとしても、より積極的に管理をしなければならない人の数はさほどではないのです。その選別をしっかりしていくことが、新しい方式による糖尿病検診が行われるようになった今日、非常に重要なことなのです。あわせて先ほど糖尿病にかかりやすい条件を表3で示しましたが、その点数が6点以上であるといった情報を集積して、要指導の中から積極的なケアの必要な人を選び出していく、それが大事な作業になります。
耐糖能障害が本当に体に悪い状態になっているかどうかを見るためには、糖負荷試験による成績が必要です。糖負荷試験は、要指導の中でいまお話ししたようなリスクの高い人には必ずやったほうがいい。その際には、血糖値とともに血中のインスリンを測ってもらう。これは健康保険でも精密糖負荷試験として認められていますから、ぜひそれを活用していただきたい。

 

3.積極的治療介入

血中インスリンを調べると、同じ境界型にある人でも、インスリンの出方はかなりまちまちなのです。とくに太っている場合とそうでない場合というように肥満で分けてみても、それそれによって特徴のあるイン

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION