日本財団 図書館


 

?.糖尿病検診のすすめ方

尿検査と血糖検査を併用

中高年に多い糖尿病を診断していく方法は1996年度から老人保健法によって大きく前進しました。いままでは尿糖検査でスクリーニングが行われ、そのあと血糖検査あるいは糖負荷試験で以後の区分けをしていくということでしたが、尿糖検査だけでスクリーニングをすると平均60%の見逃しがあるということがわかっていました。わかっていたのにもかかわらず尿糖検査で糖尿病のスクリーニングが行われていたわけです。
私たちは十数年前から厚生省に「糖尿病検診をするのであれば、血糖検査せずしてスクリーニングはあり得ない。しかも、このHbAlcという検査が十年来導入されているわけだから、この検査と血糖検査を併用する方法をとれば見逃し率は60%を5%以下にすることができる」ということを言ってきたわけですが、糖尿病患者が非常にふえて合併症を有する人が医療費に莫大な支出をうながしているという事実に、厚生省もようやく老人保健法における基本健康審査の糖尿病検診に血糖を導入し、かつHbAlcを組み合わせる方法で診断をしていくことにしたわけです。これはまだなかなか徹底していませんので、厚生省には、新しく糖尿病検診がセットアップされたということを多くの施設に伝えてほしいと要望しているところです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION