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らインスリン依存型かというと、そうでない糖尿病もあり得るということがあって、糖尿病を見ていく上でややこしさをさらに増幅しているといえるのです。しかし幸いなことに自己免疫型か非自己免疫型かを見分ける検査が確立されましたので、そのあたりのややこしさが今日ではかなり解消されてきています。
そこで臨床症状は別にして、成因論的に見て自己免疫型、つまり?型であるという診断が、非肥満の、とくに中高年でインスリン非依存性と診断した糖尿病の中にもあるということと、それが的確に診断できるということは、このタイプの糖尿病の人にとっては治療が適切に行われて、合併症を起こすことのない生涯を送る最初のスタートのところでつまづかないですむということが可能になったということです。

 

4.中高年の4人に1人は糖尿病傾向

発症年齢別には14歳以下、15歳〜24歳、25歳〜64歳、65歳以上と分類しますが、成人糖尿病は25〜64歳までですから数としてはここが一番多く300万人くらいいるでしょう。高齢化の中で65歳以上人口がふえていますが、その中では200万人くらいの人が糖尿病として診断されています。また、若い入は20万人余が糖尿病として診断されているということです。
成人糖尿病を40歳で切りますと、40歳以上の全人口の1割、つまり糖尿病全患者500万人のほとんどが40歳以上の人で占められていることになります。それはわが国の疫学調査でも裏付けられています。ということは40歳以上になると10人に1人が明らかな糖尿病として診断されますし、耐糖能障害といった軽症糖尿病期にあるものは40歳以上のおよそ15%に見られるということで、そういう軽症のものも含めると25%、4人に1人が少なくとも糖尿病がらみの異常を呈しているというのがわが国

 

 

 

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