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イア(〜の地)]で、“兄弟愛の地”。アメリカ東海岸の大都市ですが、もともとはギリシアの町の名前です。
「フィリップ」は、[フィル+ヒッポ(馬)]で、“馬を愛する者”という意味の人名です(ヒッポは馬で、カバではありません。“河”は“ポタモス”ですから、“河の馬”が“ヒッポ・ポタモス”となるわけです)。
「フィリピン」という国の名は、スペイン王、フェリペ2世にちなむのですから、元来の意味は上と同じです。
「フィランソロピー」は、[フィル十アンソロポス(人間)]で、“人間愛”“人類愛”ということですが、最近では、企業などの社会貢献を言い表すのに使われています。
さて、こうしてみてくると、“フィル”とコンビを組んでいるものには、調和・知恵・兄弟・馬・人類などがあり、その多様さに驚かされます。なにがこれらに共通するでしょう。
フィリアの愛の対象はどれも、それを愛する者にとっては、かけがえがなく大切で、価値がある存在です。つまり、音楽を愛好する人は、音楽ならなんでもいいというものではなく、自分の気に入ったタイプの音楽、作曲家、グループなどがあるわけです。兄弟愛だって、相手が男ならだれでもということではなく、世界にたった一人のこの弟だから、という条件つきです。愛犬家だって、犬ならどれも同じ、なんでもいい、というわけではなく、ウチの“ラッキー”は、世界の何ものにも代え難いのです。
そして、フィリアの愛を注ぐことで、こちらもこころ豊かになったり、喜びを得たり、生活が潤ったり、というお返しが楽しめます。たとえば、「調和」のとれた響きにこころを満足し、「知恵」を愛するものは深い洞察力を得るでしょう。兄弟姉妹、動物を愛し大切にすれば、感謝と親愛の情に喜びを感じるでしょう。

 

 

 

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