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こころ・あたま・からだ

さてここまで、「こころ・あたま・からだ」のバランスが人間としていかに大切かということをみてきました。YMCAのロゴをつかわせてもらったのですが、これに似た考えかたは日本にもあったようです。
たとえば、相撲の世界では「心・技・体」ということをいいます。“心”と“体”は、文字どおりにそのままですし、“技”は単に小手先の技術ということではなく、知的な理解力、分析力、判断力があってこそ活きるもののことでしょう。
また、仏教の真髄に「信・証・行」があるといわれます。この三つも、それぞれ“こころ・あたま・からだ”のはたらきとつながっています。「仏・法・僧」にしても、同じことがいえます。
こう見てくると、人間を“こころ・あたま・からだ”という面からとらえるのは、なにもキリスト教の専売特許ではなく、もっと普遍的な受け止めかたであるようです。
いま、あえてわたしたちがこれに注目するのは、今日の社会で自分の人間の在りかたを問い直すとき、この“全人的理解”が大いに役に立ちそうだからです。“こころ・あたま・からだ”のバランスは、一人ひとりが自分らしくいきいきと生きるためにも、また社会全体として健全さを取り戻すためにも、大切なことなのです。

 

 

 

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