トップクラス”と、まことしやかに喧伝されますが、その中身を見てみると、ポイントを要領よく把握して記憶することが中心で、残念ながら、知性、理性を豊かに磨きあげるような内容ではありません。MINDの創造的訓練という面は、恐ろしいほどに欠落しています。
余談ついでにもう一つ触れておくと、最近、医療の世界では、病状を患者にちゃんと告知する、“インフォームド・コンセント”ということが話題になっています。医者が患者に病状を告知するに当たっては、両者の間に、知的な意思疎通が可能な共通の土台があることが前提です。ところが、理性と感情が混然とし、冷静に理解、判断できない関係では、むしろこのことが誤解、混乱を招きかねません。
人間は、確かに感情の動物です。しかし、その感情は理性的にコントロールされていなければなりません。自分の感情を相手にわかってもらうためにも、知的で論理的なコミュニケーションが必要となります。よっぽど親しい間柄でなければ以心伝心というわけにはいきません。「それくらい察してよ」というのは、結局は、甘えでしかないのです。
ヒトが自らにつけた学名は“ホモ・サピエンス(知性の人)”。人間が人間らしくあるためには、“MIND”をないがしろにするわけにはいかないのです。
からだとあたま、そして……
“人間”には不可欠な要素としてBODYとMIND、すなわち“からだ”と“あたま”について見てきました。りっぱなからだをもち、すぐれたあたまを傭えている、となれ
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