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女子青年会」)ということからもこのことがわかります。
さて、YMCAの正式なロゴには、三角形の各辺に一つずつ、三つの言葉が書き込まれています。そして、その全体が理想的人間像を指し示していますので、一つずつ見ていくことにしましょつ。

 

BODY:からだ

まず、右の斜辺には、「BODY」と書かれています。
人間は、身体的存在だということです。この世に生きる限り、わたしたちはからだをもっている。これは生物学的事実です。
仏教では、人生で味わう苦しみを四苦と表現します。四苦八苦の四苦で「生・老・病・死」のことですが、これらもみな、肉体をもっていればこそ、といえます。
また、われわれが環境汚染、放射能や紫外線、食品添加物の不安をいだくのも、それらが“からだ”をむしばむ可能性があることが第一の理由でしょう。
人間がからだをもつ存在である、なんて当たりまえのことのようですが、最近の傾向をみていると、現実には“からだ”の尊厳が軽視されている気がしてなりません。
その一つは、『唯脳論』や『脳内革命』といったベストセラーにも象徴されるように、脳への関心が集中的に高まっていることにあります。あたかも脳こそ人間にとって最高の器官であり、個人存在の司令塔で、からだ全体が脳の指令によってコントロールされているかのような受け止めかたです。
また・脳に関連する最近のもう一つの動きは、“電脳”とも呼ばれるコンピュータの描き出すバーチャル・リアリティの世界で

 

 

 

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