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品であれ、なんらかのかたちで自分を切り売りしなければなりません。
これはあくまでも自分の部分的“切り売り”で、それに身もこころも込めた“全人格的かかわり”を求めるのは見当違い。誠心誠意とはいえ、“仕事上の”という一線を画さなくてはいけません。それでこそ各人の社会的役割がスムーズに果たせるのですが、気がつくと、本音の自分を素直に出せる人間関係を持たずに表面的なおつきあいだけで日々が過ぎていくのに気づきます。
そんな社会に生きるわれわれは、割り切って表面的な人間関係で妥協し満足するか、孤独を自分の胸ひとつに納めて耐え忍ぶか、あるいはアルコールや薬物の世界に逃避するしかなくなってしまいます。どの道を選ぶにしろ、生身の人と触れ合いながら「人間的、全人的かかわり」を拒否された自己は、しまいには自らの人間性をも否定、あるいは破壊するところまで追い詰められてしまうのです。

 

全人的かかわりを取り戻せ

人間は、結局のところ、“自分らしく”生きることなしに、本当の幸せを得ることはできません。そして、その“自分らしさ”

 

 

 

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