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一席

ナショナル・トラストエリアの観光利用に関する研究

−イギリス湖水地方での日本人観光客を題材として−

 

真板昭夫・橋本俊哉・海津ゆりえ・小林英俊

1. 研究の背景

1995年7月24日の英国タイムズ紙に、日本人観光客を取り上げた記事が掲載された(図−1)。記事の概要は、湖水地方にあるビアトリクス・ポター(絵本「ピーター・ラビット」シリーズの原作者、1866−1943)の家を訪ねる日本人観光客があまりにも多くなったため、ナショナル・トラストが人数を減らすためのキャンペーンを日本で行う方針を決めたというものである。この記事は日本の新聞でも取り上げられた。

 

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図−1 「日本人はビアトリクス・ポターの庭には入らないで」(タイムズ紙1995年7月24日)

 

タイムズ紙の記事「日本人はビアトリクス・ポターの庭に入らないで」の論点は、以下の8点である。
?ピーターラビットに惹かれて、ビアトリクス・ポターの家を訪れる日本人が急増している。
?日本人の多くにとっては、ロンドンとエジンバラを義務的に訪れるだけでなく「ピ一ター・ラビットの国・湖水地方」に立ち寄らなければ、イギリス旅行は完結しない。
?ビアトリクス・ポターゆかりの地・ヒルトップを訪ねる観光客の1/4は日本人。ヒルトップの人気にナショナル・トラストは唖然としている。
?日本人客の多くは若い女性であり、日本では今「かわいいもの」が流行っている。

 

 

 

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