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シルクロードの観光についての講演

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市川 辰雄
株式会社JTB中国旅行取締役東京支店長

 

●1940年1月26日生まれ。財団法人日本交通公社入社。1985年〜1987年JTB北京事務所所長。1988年〜1989年JTBワールド中国部長。1992年〜現職JTB中国旅行取締役東京支店長。

 

唯今ご紹介いただきました、JTB中国旅行の市川辰雄でございます。
昨年6月には、西安において開催された「WTO SILK ROAD FORUM」の席におきまして、日本の「Tour Operator」の立場で、お話しをさせていただきました。今回はシルクロードの観光促進についてお話しをさせていただきたいと思います。このような機会を与えてくださいましたWTOアジア太平洋事務所の山下所長をはじめ、スタッフの皆様に感謝申しあげるとともに、まことに光栄に存じます。
まず、初めに株式会社JTB中国旅行に関しまして、簡単にご紹介申しあげます。JTB中国旅行は、1989年4月JTBグループの100番目の子会社として誕生しました。その目的は、JTBグループ内における中国旅行の販売強化であります。つまり、ツアーオペレーターとして、あるいはルックJTBのホール・セラーとして、専門特化を図り、競争力を強くするねらいで設立された会社でございます。設立9年目を迎え、当社の中国方面への送客人数は年間11万人を取り扱うまでに成長いたしました。(因みに、JTBグループ内の方面別会社としては、ハワイ、グアム・サイパン、アメリカ、ヨーロッパ等がございます。)
昨年の西安におけるシルクロード・フォーラムでは一昨年当社で開発いたしました、シルクロードを全線走破する「ユーラシア大陸横断」1万3千キロ・50日間バスの旅について報告いたしました。お蔭さまで、このツアーは2年間で5回実施いたしまして、参加されたお客様は延べ100人を越えるまでに成長し、定着してまいりました。このツアーに関するご報告は後程、お話しさせていただきたいと思います。
本日は、美しい響きを持つ「シルクロード」、多くの日本人にとって憧憬の念で語られる「究極のデスティネーション」シルクロードを旅行商品として作る側、つまり企画、販売するにあたりましての問題点を中心にお話しさせていただきたいと思います。
ご出席の関係者の中には、或いは辛口の提案と映る場合もあるかと思いますが、シルクロードをこよなく愛している人間の発言として、ご容赦いただきたく予めご了承をお願い申しあげます。
「シルクロード」をツアーとして、商品化(企画・手配・販促)するにあたっての問題点
西安からイスタンブールまで直線距離にしても約1万キロ、さらに幾つかに枝分かれしているシルクロードを1回の旅で経験することは不可能です。普通は何回かに分けて旅することになります。その場合、とてつもなく広大な空間のどの地域、いつの時代の王朝の歴史遺産にスポットをあてて、ツアーを計画するか?企画担当者の腕の見せどころでしょう。
また中国内のシルクロード、中央アジア、パキスタン、イラン、トルコ、あるいは西アジアからアフリカ、ヨーロッパに至るシルクロードでは、それぞれ全く旅行事情が異なります。この度機会を与えられましたので、「シルクロード」ツアーを企画する際の問題点を列挙しまして、改善にむけてのご提案をさせていただきたいと思います。
1.「旅行情報」が少ない

 

 

 

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