
腕輪のところのアップです。腕の骨があってここは指のところです。指の爪がこんなに残っています。ここには腕輪も指輪も付いています。これが全部金製品なのです。
この被葬者を復元してみますとこういう女性になりまして、スパンコールというのですか、衣服に金の飾りを全部縫い付けております。それから首飾りや髪飾り、そういうものがいっぱい付いています。実際には頭の冠から胸、腕と足の先までこういうふうな飾りによって覆われていたということがわかります。
こちらは男性の墓であります。男性もやはり首飾りを用い、こういう帯を付けて、剣を両方に持ち、それから足もとに、踝の金具がある。長い剣があります。
その腰に付けていた剣の一つで、柄のところや鞘は金でつくっておりますが、剣身は鉄であります。そしていろいろなタイプの模様があります。ドラゴンや波状紋、ここのところの模様も非常におもしろいものです。これは熊。ベアーが両手を挙げて立っているようなポーズのものです。これは中国では漆の模様などによく出てくるものです。こういうトルコ石を象嵌しております。これは先ほどのベルトです。全部金で作ってあります。こういう円形飾りが幾つかあって、その間を結ぶのに9本の鎖でつないでいて、そこがベルトです。
その円形飾りにはライオンに乗る女神の像が附いています。これも恐らく皆宝石がはまっていたに違いない。非常に彫りが深いものです。
今の女神の像を頭の方から見ています。これがベルトのところです。女神の像はベルトからこれだけ飛び出しています。
これは踝の飾り金具で、一対あります。これは車に乗っているのです。獅子のような動物が車を引いているのですけれども、この車のカサを支えている柱がどうも竹らしいのです。竹とすれば中国のものかもしれません。
だからいろいろな文化の影響があります。これはまた6号墓の女性の墓ですが、これはすばらしい冠を付けています。この白っぽいところは全部金です。
この顎のところに金のベルトを付けています。下顎が落ちないようにするためです。
これが冠ですけれども、これは立飾りが五つありまして、我々が歩揺と呼んでいるヒラヒラと鳴るものが付いています。ここには鳥が止まっており、いろいろ複雑ですが、全体は、木のデザインです。日本では、奈良県から出ました藤ノ木古墳の冠がこれとよく似ています。
これは非常にすばらしいビーナスの像ですけれども、ギリシアのビーナスとちょっと違いますのは、羽が生えているのはいいとしても、この額のところに丸いマークが付いています。何かインドのカーストマークのようなものです。だからギリシアのビーナスと似たタイプをしているけれども、やはり違います。
これも真ん中に王様のような人物が両側にドラゴンを2匹手に握っているという、そういうデザインです。これは女の髪の両側にくっつけた髪飾り、それにいろいろな垂飾が付いています。緑のトルコ石、それから黒っぽいのはこれは琥珀ではないかと思いますが、あるいはラピスラズリもここに入っています。そういういろいろな宝石を象嵌しています。
これは襟止め金具です。ここのところにフックがあって、両方の襟を止めるようになっています。これはライオンのようなものに乗った男女一組です。これはディオニソスがアリアドーネという女神を連れていくというトロイア戦争の後の場面です。ここにサチロスがいて、杯を挙げてこの2人の結婚を祝っています。後ろのほうでは、天上から花冠を捧げて祝福しているニケ女神です。こういう非常に典型的なギリシアの神話に出てくるデザインを持ったものがあります。
これは耳環ですけれども、裸の女性が身をアクロバット風にそらした、非常にユニークなデザインです。実に見事なものです。
これは金の指輪で、その中に石が嵌めてあります。そこにギリシア文字で「アテナ」と書いてあります。まさにギリシアのそのものです。
これは首飾りです。小さな金の飾金具を紐でつないでくくり付けてあります。また玉をはめ
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