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パネルディスカッション?
●司会 引き続きまして、「国際観光交流促進シンポジウム」パネルディスカッション後半のディスカッションを始めさせていただきます。もうご登場いただいておりますが、パネリストのご紹介をさせていただきます。まずは、歴史街道推進協議会事務局長井戸智樹さんでございます。歴史街道構想推進事務局長として歴史街道推進協議会発足に携わり、事務局次長を経て現職につかれておられます。続きまして、滋賀県教育委員会・仮称びわ湖ホール開設準備局長の上原恵美さんでございます。労働省から滋賀県に転出し、全国で初めての女性の公立美術館長就任ののち、県商工労働部長などを歴任されておられます。そして、日本交通公社関西営業本部営業開発部長の清水洋一郎さんでございます。JTBにおいて関西における地域開発大規模プロジェクトイベントコンベンションの窓口として活躍されておられます。コーディネートは引き続き阿部先生でございます。よろしくお願いいたします。
●阿部 さっそく第2部パネルディスカッションを始めたいと思います。今日のシンポジウム全体の開会のときにご紹介がございましたように、現在運輸省が「ウェルカムプラン21」というプランを出しております。これは、かつての「10ミリオン計画」とは逆のことでして、「10ミリオン計画」は海外旅行者を1,000万人以上に増やすということでしたが、あっという間に計画を達成いたしまして、先ほどのお話ですと今年度は1,700万人の海外旅行客が記録されるだろうということでございます。この「ウェルカムプラン21」、つまり訪日外国人客の増力ロプログラムは、10年後の2005年に外国から700万人のお客様を迎え入れようという計画です。そのために何をすればいいのかということが今回のシンポジウムの基本的な課題でして、冒頭のご挨拶にもありましたように、都市における観光というもの、コンベンションとか伝統的な文化、資源というものに対するインバウンドの方策につきましては、神戸ですでにこういうシンポジウムが開かれたということです。
都市ではなく、地域におけるインバウンド、外国人の受け入れということと地域の活性化を連動させて考えていこうということが今日の課題です。時代は交流の時代、あるいは定住人口から交流人口の時代であるとまでいわれております。一方では、世界的にものや情報や人をはじめとしてすべてのものが動く、あるいは揺らいでいる時代でございます。そのなかで地域がどういうふうに自らを国内ばかりか、世界に対しても主張させていくのか。今日のパンフレットにもサステイナブルという言葉がこざいましたが、ある意味ではサステイナビリティをどういうふうにグローバリゼーションの中で実現していくかという課題とも重なっているかと思います。抽象的な前置きよりも魅力的なパネラーにお三方おいでいただいております。さっそくご発言をいただきながら、会場の皆様も一緒に今後のわが国の国際観光のあり方というものを考えていきたいと思います。
冒頭、歴史街道の井戸さんからご発言いただきたいのですが、今日はタイミングがいいことに日本経済新聞の広域関西版に詳しくプロフィールが載っておりますので、それをまだご覧になっていない方は今日のお話をうけたまわったあとで、「こういうことか」と認識を改めることがあるかと思います。では、さっそく井戸さんお願いします。
●井戸 本日はお招きいただきましてどうもありがとうございます。歴史街道というのは、一言でいうと近畿の歴史都市のネットワークでございます。現在165の地域あるいは団体、企業などが加盟をいたしまして協議会をつくっております。また、これに加えまして9,000人ぐらいの個人会員の皆さんがおいでになりまして、そういう方の知恵も集めながら計画を進めております。歴史街道計画というのは、手段に過ぎないというふうに考えております。歴史街道をつくることは目的ではなくて手段である。何の手段かというと、私ども三つの事業目標をかまえております。一つは歴史文化を生かした地域づくり、一つは新しい余暇ゾーンづくり、一つは日本文化の発信基地づくりという三つのテーマを掲げておりまして、この三つのテーマに治った事業をいろいろ展開しているわけですが、それぞれの事業のあいだに相乗効果をつくっていくというのが一つの大きなポイントであるかと思います。簡単にご紹介いたしますと、歴史文化を生かした地域づくりとは、要は地域整

 

 

 

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