第10回海外公営企業事情調査団に参加して

松崎茂(自治省財政局準公営企業室課長補佐)

 

はじめに
(財)自治総合センター主催の海外公営企業事情調査団も、本年度で第10回となりました。今回も、各地方公共団体から多数の公営企業関係者が参加され、7月6日から19日までの14日間、ヨーロッパ5カ国(イギリス、オランダ、ドイツ、スイス及びフランス)を訪問し、調査並びに意見交換を行って参りました。
専門調査の対象は、主として風力発電、上水道、下水道でしたが、都市再開発や都市交通についても実地に視察し、多岐にわたる事業について我が国の現状と比較することができました。とくに、上下水道については、我が国の方が社会資本整備の歴史が浅いが故に、新しい施設・設備を有しているところが多いようですが、水質保全の手法や経営効率化などソフト面での各都市の経験が大いに参考になるものと思いました。
また、ドイツでは、旧東ドイツ地域の都市を訪問し、建設間もない上水道施設を視察するだけでなく、統一後急ピッチで進められる社会資本整備の現状や民営化の状況を垣間見ることができ、大変有意義な調査となりました。
調査結果の詳細については、今後とりまとめる報告書に譲ることとし、ここではその概要と視察に係る雑感を述べることとします。

 

1. 北ホラント州の風力発電(オランダ)
オランダでは、国の政策として風力発電や太陽光発電などのクリーンエネルギーの開発、実用化に力を入れており、今回の調査では、北ホラント州の風力発電施設を視察しました。
まず、アムステルダムの北約60kmに位置する北ホラント州の州都ハーレム市にある州庁舎において、州政府の担当官及び実際に風力発電事業に携わるWEOM(風力発電企画開発)という企業の担当者の説明を受けました。
その中では、
●オランダ全体の風力発電量は、1995年中に100MW増加して250MWとなり、国内の発電量の約1%を占めていること
●オランダ政府は、風力発電量を2020年までに3,000MWにする目標を定めていること
●現在の発電施設は北海沿岸に設置されているが、将来的には内陸部や海上への設置も有望であること
●風力発電の発電コストは、技術開発によりかなり低減してきていること(しかし、火力発電よりはまだ高い)
●風力発電に対しては、1986年から政府から補助金が交付されていたが、1996年からは補助金に代えて税制措置など商業化に向けた新たな措置が講じられていること

 

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などが明らかにされました。調査団からは、配給会社が火力に比べてコストの高い風力による電気を購入することへの疑問が呈されましたが、州政府の担当官から、コストの問題ではなく、環境を守ることが大事であるとの説明があり、環境保護に対するオランダ国民の意識の高さを感じました。
現地視察は、ハーレム市の郊外にある小型の風力発電施設で、最大出力250kWの施設が4基設置され、3枚の羽が緩やかに回転し、発電中でした。視察時はあまり風が強くなかったので、発電中のタービンの音が気になる程度でしたが、巨大な羽が風を切る音はかなりの騒音になるらしく、このことが風力発電施設の建

 

 

 

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