気軽に声をかけて
ふるさとの一堀り運動を支えるために
石黒憲三
愛知県春日井市
如意申地区コミュニティ推進協議会
1. はじめに
「今日も、さわやかな南の風が草木の間をすりぬけ、私をめがけてそして、心の中を気持ちよく通り過ぎてゆく。時は過ぎ、小中学生が友達と一緒に高校生や通勤に向かうOLや会社員などがせわしく道を行きかい始める。今日もまた、あわただしい1日が始まった。1人の思いと5人の活動からスタートした小さな運動が。今のままでは、人もまちも変えなきゃ。」
こんな思いから出発した普通の活動を普通の人が当り前に取り組んできたことを紹介いたします。
2. 春日井市のあらまし
まず始めに春日井市は、名古屋市の北東部に位置し、名古屋空港に隣接し人口は281,306人(平成8年6月1日現在)、97,790世帯、面積92.71km2のまちです。
まちの南側を庄内川が流れ、石器などから先史時代から人の居住した形跡がみられ、二子山古墳や御手洗いなど日本武尊にゆかりの地名や伝説も数多く残っています。
平安時代の寛平6年(894年)に書聖、小野道風を、下って江戸中期には木曽御獄を開いた覚明霊神を輩出しています。
昭和18年6月1日に、4ヵ町村の合併により市制が施行され、以降、軍需都市から昭和25年に王子製紙春日井工場(現新王子製紙春日井工場)の誘致を機に内陸工業都市として発展してきました。
昭和36年には、高蔵寺ニュータウンの建設が始まり、また、土地区画整理事業が活発に進められ、良好な住宅都市として基盤整備が着実に進められています。
主な特産品としては、サボテンの実生栽培があり全国生産の8割を占め日本一を誇っています。また近年はJR中央線勝川駅前の市街地再開発により全国初の立体換地ビルの建設を始め文化フォーラム整備や人にやさしいまちづくり事業等に取組み愛知県下の中堅都市とし大きく飛躍しています。
3. 如意申町のあらまし
こうした中で、私達のまちの歴史は今から約330年前に、現在の名古屋市北区から移住し村が形成(51戸)され、それ以降昭和40年代まで約260戸とほぼ横ばいの伸びでした。しかし、昭和50年11月に始まった如稲区画整理事業(平成元年3月完了)によりまちの形態は一変しました。
転居した人、そして、昔から住んでいる人々との交流の機会や場が少なく、かつ、新しいまちづくりに向けての方向が見い出せない、いわば地域リーダー不在の時を経て、世代交代の時期にもさしかかっていました。若い人達の流入、そして、まちの世代交代が上手く進まない中で、昭和59年8月に小さな風がおきました。それが青年団による伝統行事の復活と地域の「一堀り運動」で、その活動の輪が今では地域を超えた大きな動きとして展開されています。
表1:人口・世帯の推移
4. 春日井市のコミュニティ活動のあゆみ
こうした活動が芽ばえ始める前、昭和48年7月に高座地区が国のコミュニティモデル地区に指定されたのがコミュニティ活動の始まりです。そして、それから5年後に東野地区にそして、9年後に如意申地区にと14年間に2地区発足しました。平成4年12月に市内8地区のコミュニティ団体が集い「春日井市コミュニティ推進協議会」が結成されました。そして、平成8年6月現在12団体(約8万人)