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金峰山フェスクを契機の町おこし大久保誠(鹿児島県金峰町町長)

私ども金峰町のシンボルは、霊峰「金峰山」であります。海抜636メートルの金峰山は、山頂からの眺望もすばらしく、又、昔から信仰の山として親しまれ、私達に様々な恵みを与えてくれる山でありますが、金峰山由来記によると、二の山に推古2年(西暦594年)に、奈良県吉野町の金峯山から蔵王権現が勧請されたと記述されており、平成6年(1994年)が1400年目という記念すべき年に当ることから、金峰山に感謝の気持を表すとともに、これを契機に町おこしを図ろうと、「金峰山フェスク1400」というイベントを開催いたしました。
全国に同じ蔵王権現が祭られている金峰山という山が6カ所に所在することが判明し、これら金峰山に関係のある山形県鶴岡市、長野県川上村、奈良県吉野町、山日県鹿野町、熊本県熊本市の市町村長さんをはじめ、関係の方々にも多数参加していただき、3日間にわたり、コンサート、登山マラソン、太鼓祭り、特産品の展示販売等、盛り沢山の催しを実施いたしましたが、中でも金峰山に関係のある6市町村長が一堂に会しての「金峰山サミット」は、大変有意義なものでありました。
TBSの美人アナ有村がおりさんをコーディネーターに、各市町村の地域おこしの現状や課題等について率直な意見交換を行い、金峰山という共通の歴史由来の山が所在することを縁として、これから教育文化、経済等色々な分野で交流を深めてゆくことを確認し、これを「金峰山交流宣言」として集約することができたのは大きな成果でありました。
1回だけの予定で実施した登山マラソン大会は継続開催の要望が強く、今年も町内外から多数の参加をいただいて開催する予定であり、又、町内の色々な職業の若者達がこのフェスタを機に結成した「金峰権現太鼓」の連中も、引き続き熱心に活動してくれるなど、今、町に新しい風が興きつつあります。
このフェスタの開催に併せて、国の林溝事業の補助金を活用して建設した「木花館」は、本町特産の超早場米「金峰コシヒカリ」のおにぎりと地場産のそば粉百パーセントの純手打そばを売り物に、そば打ち体験や町特産品の展示販売施設でありますが、平成7年度も約12万人の来館者で音子の黒字が出る状況で、町の新しい顔になりつつあります。
金峰町の現状は、過疎化、高齢化尊厳しいものがありますが、「金峰山フェスタ1400」の開催を契機に興った新しい町おこしの気運を大切にしながら、純朴な人情味、緑豊かな大白然、安全な農林産物を売り物に、町おこしに頑張っているところであります。

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