地方分権推進フォーラム’96 in “しずおか”

多田健一郎(静岡県総務部市町村課長)

 

はじめに
11月28日、静岡県で、「地方分権推進フォーラム’96 in “しずおか”」を開催しました。
このフォーラムは、地方分権の推進を広く国民的運動として盛り上げ、展開していくことにより、地方分権の実現を図るために、全国知事会をはじめとする地方六団体、財団法人自治総合センターが地元の県と共同して開催するものです。
今回は、本年度既に実施されました青森県、長崎県につづくもので、全国各地から約630人の皆様に御参加をいただきました。
折しも晩秋で、木々が色付き雄大な富士を望む景勝地である清水市「日本平」の清澄な空気の中で、聴衆の皆様の御参加もいただき熱気溢れる議論が行われ、充実したフォーラムとすることができました。
フォーラムでは、主催者を代表して、石川嘉延静岡県知事のあいさつ、ケント・ギルバート氏の「生活大国ニッポン」〜地方分権の実現に向けて〜と題した基調講演が行われ、続いて、「”地方分権型行政システム”は21世紀地域経済のキーワード」をテーマにパネルディスカッションが行われました。以下、その概要を御紹介します。

 

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1. 基調講演「生活大国ニッポン」〜地方分権の実現に向けて〜
基調講演は、マルチ・タレントでカルフォルニア州弁護士でもあるケント・ギルバート氏から、まず、アメリカでの生活の身近な例をあげて、市民が主体となって何年も掛けて作り上げていく公園、市民の賛否を問いながら整備していく道路など手作りのまちづくりのお話がなされました。
これは、アメリカの憲法では、州が連邦に委任する権限を明記しただけで、憲法で明記しなかった権限については、すべて州又は国民に帰属すると定められていることに明らかであるように、アメリカ人は、「みんなでつくる町」という意識で、全部自分たちで作ってきたという歴史に裏付けられたものです。
このことから、地方分権よりも人民分権、地方にばかりでなく、なるべく市民、国民自身がいろいろなことをやればいいのであって、行政は最低限、なるべく行政は手を出さない、なるべく行政は動かなくてもいいような制度になっていったほうがいいとの意見が述べられました。
さらに、福祉は「自立」「家庭」「民間」「行政」の順により取り組むべきであるという「福祉四大原則」のお話をされました。
それは、私たちの社会の基本は「自立」であり、すべての人間は、

 

 

 

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