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するため、地区の人口特性(高齢者比率の推移など)、公園の利用状況、利用者へのヒアリング、近接のろう学校・盲学校などへのアンケート調査、道路の現況、公共交通機関の利用状況などを調査し、現況を把握した上で千種公園を中心に高齢者・障害者等の移動動線を考慮して幹線道路と公共的施設の配置を墓本に設定された。(表1)
そして、次に公園・公共交通機関・道路・公共的建築物のそれぞれについて整備目標を定め、関係各局連携のもとに予算化を行い、事業を実施している。公園を例にとって、その整備目標と整備イメージ図を掲げておく。(図7)
勿論、整備目標の中には短期で実現できるものから中長期に至るものまで様々なレベルのものが混在している。しかも、実施にあたっては公共のみならず、市とモデル地区の住民等が一体となって取り組むことが必要である。そこで、区社会福祉協議会・福祉関係施設・ボランティア・地域福祉推進協議会、福祉協力校・福祉活動実践校などの地域福祉活動に関する機関や団体が、それぞれの活動を有機的に連携して実施するためには、專門のコーディネイト機能が必要であり、今後は区社会福祉協議会などがそういった機能をより積極的に果たしていくことが期待される。
特に大切なことはハードの基準をつくり、いくら立派な整備を行っても最終的にはその公園を利用する多くの利用者がその公園を愛し、自分たちでそれを管理していくというシステムができなければ、公園としては「仏つくって魂いれず」で、素晴らしい公園とは言えない。そのためには行政としても、単に整備するだけでなく、特に整備後の維持管理のあり方、仕組みを十分念頭において整備を図る必要があり、そういったソフトの知恵が今後は大いに問われることになろう。

 

 

 

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