
6.住民等の関与
(1)関与の位置づけ
環境影響評価は、主要諸国において、主に環境を配慮した合理的な意思決定のための情報の交流を促進する手段として位置づけられ、個々の事業等に係る政府の意思決定そのものに住民等が参加するための制度とはされておらず、我が国においても、同様の考え方に立つことが適当である。
したがって、環境影響評価制度における住民等の関与は、事業者が事業に関する情報を提供し、これに対して住民等が環境の保全の見地からの意見を述べ、その意見に対応して事業者が環境配慮を行う過程を通じて、事業に係る意思決定に反映させるべき環境情報の形成に住民等が参加するものとして位置づけるべきである。
(2)関与の範囲
ア.閣議決定要綱においては、準備書に対して意見提出の機会が設けられているが、これに加えて、スコーピング手続においても、より早い段階で幅広く有益な環境情報を収集・形成する観点から、意見提出の機会を設けることを基本とすべきである。
イ.閣議決定要綱は、意見の提出を求める者の範囲を、関係地域内に住所を有する者に限定している。環境影響評価における意見聴取手続は、地域の環境情報を収集することが主たる目的となるので、意見の提出を求めるべき範囲は、事業が環境に影響を及ぼす地域の住民が中心となる。しかし、地域の環境情報は、その地域の住民に限らず、環境の保全に関する調査研究を行っている専門家等によって広範に保有されていること等から、有益な環境情報を収集するため、意見提出者の地域的範囲は限定しないことが適当である。
(3)関与の手続
事業者が住民等から意見を求めるに際しては、適切に周知を行うことが必要であり、事業者が、スコーピング手続において提出する文書及び準備書について公告し、縦覧に供することが必要である。また、準備書は、事業者が各種の調査等を経て、事業及びその環境影響についての事業者としての考えを取りまとめた文書であるので、事業が環境に影響を及ぼす地域において事業者が説明会を開催することが必要である。
その際、住民等からの意見提出期間、事業者による周知の地域的範囲、縦覧期間を定めることが必要であるとともに、周知に当たっては、必要に応じて地方公共団体の協力を求めることができることとすることが適当である。このほか、事業者は、説明会において準備書等の内容を住民等に対してわかりやすく説明することに努めるなどの配慮を行うことが適当である。
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