
基本計画においては、「我が国におけるこれまでの経験の積み重ね、環境保全に果たす環境影響評価の重要性に対する認識の高まり等にかんがみ、内外の制度の実施状況等に関し、関係省庁一体となって調査研究を進め、その結果等を踏まえ、法制化も含め所要の見直しを行う」との方針が示された。これを受けて、平成8年6月28日、今後の環境影響評価制度はいかに在るべきかについて、内閣総理大臣から当審議会に対して意見が求められたところである。
2.制度の見直しの基本的考え方
環境影響評価制度は、以上のように推移してきたが、近年、環境基本法の制定により環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みが示されたこと、行政手続法の制定により行政運営における公正の確保と透明性の向上が求められるようになったこと、地方分権推進法の制定により国と地方の役割分担等についての考え方が示されたことなど、環境影響評価制度をめぐり、新たな状況が生じている。また、当審議会に寄せられた国民各界各層の意見には、法制化をはじめ現行制度の改善を求める意見が数多く見られたところである。環境影響評価制度は、こうした状況に対応して、適切に見直されるべきである。
本答申では、このような視点に立って、現行制度を見直すべき点を中心に、新たな制度が備えるべき基本原則を示すこととした。その基本原則の要点は次のとおりである。
?環境影響評価に関わる広範な主体の役割や行動のルールを明確にするために、法律による制度とすること。
?環境影響評価制度は、事業者自らが広範な人々から意見を聴取しつつ環境影響評価を行って、十分な環境情報の下に適正な環境配慮を行い、国が許認可等によって事業に関与する際に、環境影響評価の結果を適切に反映させるという趣旨の制度であること。
?事業者が事業計画の熟度を高めていく過程のできる限り早い段階から情報を出して外部の意見を聴取する仕組みとすることにより、早い段階から環境配慮を行うことを可能とすること。
?制度の対象とする事業は、国の立場からみて一定の水準が確保された環境影響評価を実施することにより環境保全上の配慮をする必要があり、かつ、そのような配慮を国が許認可等の関与によって確保することが可能な事業とすることとし、このような観点から現行閣議決定要綱よりも対象を拡大すること。
?環境基本法に対応して、生物の多様性などの新たな要素を評価できるよう、評価対象を見直すとともに、評価に当たっては、環境基準等の行政目標をクリアしているかどうかだけでなく、環境影響をできる限り回避し低減するという観点から評価する視点を取り入れること。
?予測の不確実性にかんがみ、環境影響評価後のフォローアップの措置を取り入れること。
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