
第2は、法律は、評価項目及び対象事業についてはナショナルミニマムを定め、純然たる手続については全国で統一的に規定すべきであるとする考え方である。すなわち、評価項目及び対象事業については、事業が特定地域の環境に与える影響を調査するという法律の趣旨から、地域の環境特性に応じて独自に条例で定めることができるが、純然たる手続については、手続の統一性を確保するという法律の趣旨、目的に鑑み、上乗せは認められないとするものである。
前述のように、環境影響評価は、地域環境に重大な影響を与えるものであるから、一般に、地域の実情に応じた対応の必要は特に高いと考えられる。ここで問題となるのは、純然たる手続についても、地域の実情に応じた制度が必要であるといえるか、法律上の純然たる手続の中にナショナルミニマムに属するものがあるといえるか、である。
地域の実情としては、「地域の自然的社会的条件」が問題となる。このうち、「地域の社会的条件」とは、環境影響評価の場合には「地域の行政需要」になろうが、すでに条例等に基づく制度がある地方公共団体では、それが定着している場合には、「地域の社会的条件」があるといいやすいであろう。そして、(?)開発が高度に行われ、これ以上の環境の破壊が住民に著しい影響を与えるおそれが大きいこと、及び、それに伴い、(?)住民の意識が高まっていることを基準として、この「地域の社会的条件」を判断することができると考えられる(一方、極めて貴重な自然が存在する場合には、「地域の自然的条件」があるといえよう)。
こうして、基本的には第1の考え方が妥当であるといえるが、さらに、ここでの問題が規制基準の上乗せではなく、手続の上乗せであることに注目する必要があろう。すなわち、法律と同一の目的のために同一事項(対象事業)について、国で定められた手続に条例で附加をすることに、規制基準の上乗せの場合と同様の合理性を見出せるかが疑問となる場合が考えられる。具体的には、1つの事業に関する環境影響評価について、法律と条例で基本的な手続が異なるのでは、手続の不必要な重複になり、費用がいたずらにかかり、また、地方によっては手続の進行が遅れることが恒常化するおそれがある。従って、国の制度で対象となった事業について、条例で一連の手続を定めることはできないと解される(前掲環境庁・自治省統一見解参照)。また、行政庁の意見提出期間を国の制度より大幅に長く設定し、国の手続の流れを阻害することも認めることはできないといえよう。
結局、条例による手続の上乗せは認められるが、それは法律上の手続の進行を妨げない範囲に限定されるものといえよう。すなわち、この報告書においては、基本的には第1の考え方に立ちつつ、「法律に定める手続等の進行を妨げる」もののみが違法となるとの考え方をとることにしたい。
なお、前記の環境庁・自治省統一見解は、「条例で手続等を附加し、このことにより、法律に定める手続等の進行を妨げ、又は瑕疵を生じさせることは認められず、そのような条例を定めることはできない」としていたが、条例で手続等が附加された場合において、その附加された手続が実施されなかったときは、条例上の瑕疵は生じても法律上の瑕疵を生じさせることにはならないと解される。例えば、公聴会の開催を条例で義務づけた場合において、公聴会を開催しないことは、条例上の瑕
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