
響評価については、いくつかの地方公共団体においては、これまで積み上げてきた制度の実績があり、環境影響評価法を制定するに当たっても、地方公共団体の既存の制度を後退させることのないように注意しなければならない。
今日、環境影響評価に関する「法律と条例との関係」について検討する際の基本的考え方としては、
・地方公共団体の主体性と自主性を尊重すること
・地域の実情に応じた環境影響評価を可能とすること
・地方公共団体における環境影響評価が後退することのないようにすること
の3点をあげることができよう。
(1)横出し及び裾出し
?法律の対象事業以外の種類の事業への横出し
法律と同一事項について規定するわけではないから、法律の対象事業以外の種類の事業について、地域の特性に応じて横出し条例を定めることは許容される。すなわち、当初よりスクリーニングの対象からはずれた種類の事業は、横出しの問題となり、これについて条例で定めることは許されると考えられる。このような考え方は、最近の学説の一般的な傾向にも沿ったものである。
?規模が小さいため、法律の対象事業とならない事業への裾出し
一定の規模を下回るため、国の制度の対象事業とならない事業についても、地域の状況に応じて裾出しをすることが認められる。裾出しについては、基本的には、横出しと同様の考え方をとることができる。
中環審答申は、対象事業について地方公共団体の意見の提出を受けつつスクリーニングをすることとしており、対象事業について整理すると、
(ア)規模要件で必ず実施する事業
(イ)規模要件でスクリーニングの対象となる事業
(ウ)(ア)、(イ)以下の規模の事業
に分けられるが、(イ)で対象としないとされた事業と(ウ)の事業については、地域特性に応じて条例により地方公共団体が対象とできるような仕組みとすることが必要である。(イ)については、国が一旦手続に乗せたうえで判断の結果対象としなかったのであり、地方公共団体でこれを対象とすることができるかという問題があるが、国の制度は許認可に反映することを想定しているのに対し、地方公共団体の制度は必ずしもそのような効果を直接に狙ったものではないから、国の制度において対象としないとの判断がなされても、地方公共団体が対象とすることは可能であると考えられる。また、仮に、(イ)で国の判断において対象とならなかった事業については地方公共団体は独自に環境影響評価の対象とすることはできないとするのであれば、国が判断を行うに当たって、単に地方公共団体の意見を聴くだけでなく、地域特性を踏まえ、その意見が確実に反映されるような仕組みとすることが必要である。そのため、法律上、「スクリーニングに当たっては、地方公共団体の意見を尊重する」という規定をおくことが望まれる。
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