
3.環境影響評価に関する「法律と条例との関係」についての従来の議論
(1)旧法案における考え方
旧環境影響評価法案の下では、法律と条例との関係について、次のような考え方がとられていた。
?法案は対象事業について統一した手続を定めているのであり、上乗せ条例は違法である。そこでは、「法律に定める手続等の進行を妨げ、または瑕疵を生じさせる」もののみが上乗せ(違法)となるとの立場がとられており、縦覧期間の延長、公聴会の義務づけは上乗せであるが、知事が審議会の意見を聴くことができる旨のものは、法律の手続の進行を妨げるものではないので、上乗せ条例ではないと考えられていた。
(参考)昭和56年3月10日環境庁・自治省統一見解
二 法律の対象事業については、条例で法律に定められた環境影響評価の統一した手続等を変更させることは認められない。
法律の対象事業について、条例で手続等を附加し、このことにより、法律に定める手続等の進行を妨げ、又は瑕疵を生じさせることは認められず、そのような条例を定めることはできない。また、法律の対象事業について、公害の防止及び自然環境の保全の観点から、条例で環境影響評価の一連の手続等を定めることもできない。
?法案の対象以外の評価項目については条例で自由に定めることができる。法案の対象事業以外の事業について条例で定めることを認める。ただし、法案と整合性をとることが要請される。
(2)学説
学説においては、旧法案についての議論の中で、以下の主張をするものがみられた。
?評価準備書又は評価書の縦覧の仕方、説明会の開き方、公聴会の義務づけ、情報公開の保障の強化、事後評価手続の追加、第三者機関の創設など、純然たる手続に係る上乗せ条例も、少なくとも論理的には定めうる。ただし、これらの上乗せがどこまで合理的か、法律の目的、趣旨に照らしてどこまで合法かといった点は、個々の事項ごとに判断することが必要である。
?評価の項目及び技術的手法については全国一律に定めることは不可能であり、横出し条例を認めるべきである。
?法案の対象事業以外の事業についての横出し条例を認めるべきである。法案の対象事業以外の事業に係る横出し条例に留保条件をつけるのは妥当でない。工場、事業場は多種多様な業種にまたがっているおり、これに関して、鉄道、道路等について定める評価項目、技術的方法に準じるとすることはできないからである。
4.環境影響評価に関する「法律と条例との関係」についての本報告書の考え方
法律と条例に関する最近の判例、学説をみると、地方公共団体において独自の条例を定めうるかを判断するに当たっては、地域的規制の必要性、規制事項の性質等に照らして法律の趣旨を検討する必要があるが、環境影響評価は、地域環境に重大な影響を与えるものであるから、地方の実情に応じた措置をとる必要は特に高いと考えられる。また、環境影
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