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?Dシンクロナイズドスイミング

―リズム水泳における背泳ぎ―
(財)日本水泳連盟シンクロ委員 図司早江子

はじめに

シンクロナイズドスイミング(以下シンクロ)が日本に紹介され、日本の女子選手の競技として、(財)日本水泳連盟の5本柱の1本としての地位を確立してから、およそ40年が過ぎようとしている。この40年の間に日本のシンクロはめざましい発展を続け、競技規則から女子の競技ということばを外してしまった。1950年代後半から1960年代前半は、シンクロの基本的な技であるスタンツ(現在のフィギュア)を、アメリカのルールブックどおりに実施するための努力がひたすら払われた時期で、ルーティン(音楽に合わせて演技)中の泳ぎは、スタンツやその一部分をつなぐ役割、即ち一連のつなぎ動作と考えられていた。同じ時期、世界のシンクロリーダー。アメリカは飛躍的な進歩をとげ、基本の技であるスタンツにおいて難易度の高いものが次々と開発され、これらをスムーズによりスピーディに演技するために、つなぎ動作であった泳ぎにスピードが求められるようになっていった。アメリカと親善を深めていった日本は、アメリカの強い影響下で演技の難易度を上げ、一定の演技時間内により多くの距離を進むために、泳ぎに従来より重要な役割を与えるようになった。1960年代後半には、泳ぎは単なるつなぎ重力作ではなく、スムーズでスピーディーな美しいパフォーマンスと位置付けられた結果、ルーティンにパワーが加味され、スポーツとしてのシンクロの地位が確立された。これ以降シンクロ選手は相当のスピードで泳ぐことが要求されるようになり、トレーニング方法も研究が重ねられ、競泳のプログラムだけでなく、シンクロ独自の泳ぎのプログラムも加えられるようになった。現在ではシンクロ全体のトレーニング中での泳ぎの占める割合は、シーズン初めでは60〜70%を占め、競技会シーズン中でも20,25%は占めているようである。

1. リズム水泳と背泳ぎ

リズム水泳で使用されるクロール・平泳ぎは、基本的には顔を水面上に持ち上げ、頭を立てた状態で泳ぐことになっているため、少し泳力があるというレベルの初心者にとっては、簡単に泳げるものではない。しかし背泳ぎは、シンクロ独自の泳法と一般的な背泳ぎとに大きな差異はないから、初心者指導に適している。指導上重要な点は、リズムの取り方で、リカバリー後手が後方に入水する時が、リズムの強の音である、ということを徹底しておかなければならない。リズムの取り方をマスターすると、初心者でも楽しくリズム水泳に参加できるようになる。
慣れるに従い、キックを水面下で行い水面上に水しぶきをあげないように、またリカバリー時もできるだけしぶきを出さないことが求められる。これは、ルーティン中の身体の重力さをクリアーに見せるためである。
次のスナップでは、音楽のリズムに合わせ更に泳者相互の型・動きも合わせるために、水面から手を抜く時は小指から、また後方へ入水する時も小指からと申し合わせをしている。これは、リカバリー途中手首が回転せず揃えやすいためである。極端なローリングも避けたほうがよい。更にステップアップすれば、隊列を揃えるために背泳ぎをしながら、首を左右に振り隊型の確認ができるようになる。

 

 

 

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